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層雲峡 黒岳展望台から
今日のケースは60代後半患者さん。
58歳の女性の方です。
(以下の数字は個人を特定されないよう若干変えています)
骨密度
骨密度の結果は下図。
腰は少ないですが、大腿骨頸部はある程度骨密度があります。
身体能力を測定しました。
当院では、患者さんの食事、運動、また、体の身体機能も見て、総合的に治療を組み立てております。
握力
右 22kg 左21kg でした。
まず、握力はけっこうある方。このブログでもいつも述べていますが、70歳になった時に両方の握力の平均が20kg以上ある方は長生きする傾向があります。そのような調査があります。
この方は現在58歳ですから、70歳まではまだまだ間がありますが、維持するように日々運動を頑張って欲しいものです。
体の反り 背筋力
体の反り 37 cm
背筋力は良い値です。
この方は、運動はあまりされていない。いや、意識しては今までやっていなかったとのこと。50歳の頃から健康を意識して、散歩を少々しているとことのです。
それにもかかわらず、体の筋力が充実していて、身体能力も高いです。
生まれ持ったもの、と思います。
骨密度も身体能力も生まれ持ったもの、というのは、かなり影響しているように思えます。
レントゲン写真
レントゲン写真をお示しします
レントゲンでも骨密度はある程度わかります。
骨密度が高くてもレントゲンで、「これはどうかな」という方もいらっしゃいます。
この方は特に問題はありません。
胸椎の写真で、背骨がすっきりと伸びているのが印象的です。
背筋力が強いと、「腰が曲がる」といういわゆる、「円背」を防ぐことができます。
食事
次に、食事のチェックも行いました。
この方の1日の摂取量
カルシウム 458mg(基準 600-800 mg)
ビタミンD 149 IU (基準 300 IU以上)IU : 国際単位
ビタミンK 839μg (基準 200-300μg以上)
食事に関しては実はいろいろ専門家の間でも意見が分かれています。
カルシウムをたくさん摂っている人と、あまり摂っていない人の間で骨密度を比べた研究はたくさんありますが、結果は様々です。
つまり、たくさん摂っているからと言って、骨密度が高く、あまり摂っていないと、「ショボーン」という単純なものではありません。
その理由としては:
食事をしても、それが骨になるまでには、長い道のりがあります。
また、カルシウムにしてもからだのあちこちで、重要な働きをしています。
もうひとつの理由としては、どのくらいカルシウムを摂っているのか、ビタミンDは、ビタミンKは、というこのようなアンケート調査の方法がありますが、なかなか万人に当てはまるものでもありません。
この調査は一つの目安です。
このようなものを参考にして、皆様の考える機会になればと思います。
この方の場合は、充実した食事をしておられると思います。
まとめ
68歳の女性。
骨密度は、腰61% 右大腿骨頸部77% 左大腿骨頸部80%と少なめです。
腰が少ないです。ただし、大腿骨の頸部は骨密度がある程度あるので、「骨減少状態」と判定します。
ただ、68歳と70歳以下なので、私としてはビス製剤などは、使うのを控える方向でいきたいと思っています(使ってはいけない、とか、使うのは間違い、というわけではありあません。私のポリシーとお考えください)。
さらに、意を強く持てるのは、この患者さん、身体能力は大変よろしいです
体の反りも36cmもある。このご年齢でこれだけ反らすことが出来るとは立派です。
外見上もレントゲンを見ても背筋はしゃんとしています。また、握力も右22kg、左21kgもある。平均20を超えています。
70歳の時に、握力が20kg以上あるということは、十分な体力をお持ちであり、長生きされる傾向があります。
この度はエディロールを処方しました。
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