2020年10月14日水曜日

骨粗鬆症 当院ではこう診る14 60代の比較的若年の患者さんをどう診ていくか

青の池 

今日のケースは60代の患者さん。

68歳の女性の方です。

(以下の数字は個人を特定されないよう若干変えています)


 平成24年から診ておりますが、だんだん減少している患者さん。
 当院では、患者さんの食事、運動、また、体の身体機能も見て、総合的に治療を組み立てております。

 
握力はけっこうある方。このブログでもいつも述べていますが、70歳になった時に両方の握力の平均が20kg以上ある方は長生きする傾向があります。そのような調査があります。
 この方は現在68歳ですから、たぶん70歳になるときには20kg以上あると思います。

背筋力も十分です。背筋もまっすぐです。
姿勢を保つには、背筋力が最も大事です。
何かひとつ運動をするというのであれば、背筋の運動をお勧めします。

背筋はレントゲンでも、前かがみにはなっていません。


食事もきちんされています。
基準としては、カルシウムは1日600-800mg以上。
ビタミンD、ビタミンKは200-300以上摂りたいものです。

総合評価

平成24年から当院で骨粗鬆症の検査を行っていて、今回で6回目です。

年齢とともに骨密度は徐々に減っています。

骨密度も決して多い方ではありません。

世の中には骨密度を上げる薬はたくさんあります。

代表的で使いやすい薬はビスフォフファネート製剤ですが、私は60代の若い方にはあまり使いません。

この方は平成25年にビビアント(女性ホルモンを少し変えた薬)を使っておりましたが、他の医療機関からボナロンゼリーが出されました。2ヶ月くらい服用しましたが、当院に来院されたのでまた、ビビアントに戻しました。平成27年にビビアントで腹部の不快感が生じましたので、エディロールに変更しました。

 骨密度は下がり気味ですが、基礎体力もしっかりしてるので、70歳まではこの薬でいきたいと思います。70歳になって骨密度がさらに下がっていたら、その時には、ビスフォフファネート製剤を使用しようと思います。


骨粗鬆症 当院ではこう診る 目次


症例2 81歳女性 私の母です



症例6 14年ぶりに骨密度を測定した72歳の女性

症例7 骨粗鬆症治療薬が効を奏したケース

症例8 運動を積極的にされる79歳の女性 身体機能がすばらしい

症例9 骨粗鬆症の薬を使い分け、骨密度を維持している81歳女性

症例10 骨密度が下がっている80歳 女性 12年間のデータ

症例11 当院での骨粗鬆症診療の実際 動画で(令和2年5月16日)
 大学時代に全国大会(インカレ)に出場したことのある76歳女性

症例12 90歳でありながら非常に元気な女性 
     十分な筋力と食の太さこそが長寿の秘訣 












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