2020年4月11日土曜日

PCR陽性者がコロナ肺炎である確率は2.3%以下!



PCR検査について語る時、この検査がどのようなものであるかを知らなければならない。

そのためには、多少専門的になるが、感度、特異度 についてきちんと抑えなければならない。

 なかなか実際には厄介なものです。

 故にもう一度、解説します。

 

先の記事でも載せましたがこの表を再掲します。
感度、特異度とは検査の性能を調べるものです。

その病気にかかっている人、つまり確定診断のついた人に検査をする。これで何%陽性と出るのか。これが感度です。
100%が理想です。しかし、なかなかそうはいかない。
90%の感度があれば、今の医療では大変有効、優秀な検査、ということになります。

しかし、これだけではいけない。
仮に全例陽性と出るおかしな検査があったとしたら、これでも感度は100%となります。
これではいけない。

そこで、特異度 というものも同時に測ります。
特異度とは病気でないとはっきりとわかっている人に検査をする。何%陰性と出るか。
100%陰性と出るのが理想です。
これも90%くらいのものは優秀な検査法と言われています。

先の、検査をしたら全部陽性となる検査があったとしたら、これは感度が100%となるわけですが、特異度は0%です。このようなものは検査とはなり得ないでしょう。

PCR検査はあまり良い検査ではないと言われています。
それがどのくらいなのか、私に分かりません。
 今、まだコロナ肺炎の全貌がつかめていないわけですからきっと誰もわからないでしょう。
 ただ、「あまり良い検査方法ではない」というので、一応、感度、特異度ともに60−70%くらいなのでは、と私が予測しているわけです。あくまでも私の予測です。
 もっともこれ以上下がってしまうと、検査をしても、病気なのか何なのか、何が何だか分からないので もはや検査としては使えません。

というようなことを申し上げていたら、とある方から
「そしたら、とにかくPCR検査が陽性と出たら、どのくらいの割合でコロナ肺炎なのだ」と聞かれました。

 そこが非常に重要ですよね。

 これは「有病率」という考え方になります。

 つまり人口比あたりどのくらいその病気の人がいるのか、ということです。

 これは難しい。コロナ肺炎と確定診断するのは非常に難しいものです。
 なぜなら新しい病気だからです。
 なんども申し上げますが、PCR陽性だから、コロナ肺炎だ、とはなりません。

このコロナ武漢肺炎への確定診断は

1)問診
 現在の状況 今までの経過
 発熱は  咳は  苦しいか・・・ 
 症状は時間とともにどうなっているのか
  変わらないのか どんどんひどくなっているのか
 感染地への渡航歴
 感染の疑われる人との濃厚接触の有無 など

2)身体所見
 喉の様子 扁桃腺の様子
 触診
 聴診

3)検査
 レントゲン写真
 CTで所見があるか。特にすりガラス状の陰影(他の肺炎でも出ます)があるか。
 PCR検査は 
 
 このようなものを組み合わせて診断します。

それでは何人くらい実際のところ今、コロナ肺炎の患者がいるのだ、となる。
 
ここからは報道にしたがって推定してみます。

2−3日前に東京での「感染者」の数が約1000人となりました。

「感染者」というのは、PCR陽性者で即、これが、コロナ肺炎の人とは言わないし、陰性になった人も大勢いる。
 しかし、いろいろ言ってもしょうがないので、コロナ肺炎発病者1000人としてみましょう。かなり過大に見積もった数字です。

 また、「いや、実際は東京にはこの10倍、いやいや、100倍いるのだ。なにせコロナの感染力は爆発的だからな」と物知り顔でおっしゃる方もいらっしゃる。

 ならば、この100倍いると考えてみましょう。

 すると東京でのコロナ肺炎者数は 1000人 × 100 = 10万人 となります。

 東京都の人口は今.1200万人ですが、計算上、1000万人としてみましょう。

 すると有病率は、10万 ➗ 1000万 × 100 = 1% と算出できます。

 さて、話を戻して
 PCR検査が陽性と出たら、どのくらいの割合でコロナ肺炎なのだ ということでは

つまり上の表の赤い四角で囲まれたところで、かつ、病気がある割合、ということですね。それを計算します。



実際の人数に即して図を書くと上記のようになります。
上記で、四角形AとCの面積を求めて計算するとPCR検査が陽性と出た時のコロナ肺炎である確率を求めることができます。


上記のように計算すると2.3%となりました。

 従って、現在、東京都民を無作為に100人抽出してPCR検査をすると、陽性となっても2.7%しかコロナ肺炎ではありません。有病者を有り得ないくらい最大限に見積もりましたのでこれよりもずっと低いと思います。


 だからこそ、検査を受けるのに、厳しく選択しているのです。

 何日も続く発熱や呼吸器症状、感染者、あるいは、それが強く疑われる人との濃厚接触がないと検査は受けられませんが、そうすると陽性でもコロナである可能性は高いと思います。

 しかし、無症状の人や軽症の人は、コロナ肺炎である可能性は2.3%かそれ以下ですので、自宅での自主隔離でよろしいかと思います。

 また、自宅では一人で生活できない人、とか、自宅では家族に冷たくされて肩身の狭い方もきっといらっしゃると思います。
 国や東京都が東横インなどのホテルを借り上げてくれたのでそこで隔離してもらって経過観察するのがよろしいかと思います。

 とにかく、PCR陽性だから、コロナ肺炎なので、即、感染症病棟に入院、という考え方は短絡的であるし、そんなことをしたら、いくら病院があって、そこに医師がたくさんいても、医療崩壊が起こります。それは無理というものです。自滅します。

 とにかく医療資源を効果的に使いたいものです。

 そうすればこの危機も乗り越えることが出来ると思います。

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