2020年8月27日木曜日

武士道 第59講(第5章 仁 の最後)


 北見 留辺蕊町 北の森水族館で いとう
原文
69) We admire and enjoy the heroic incident in Körner's short life, when, as he lay wounded on the battle-field, he scribbled his famous Farewell to Life

70) Incidents of a similar kind were not at all unusual in our warfare. 

71) Our pithy, epigrammatic poems were particularly well suited to the improvisation of a single sentiment. 

72) Everybody of any education was either a poet or a poetaster. 

73) Not infrequently a marching soldier might be seen to halt, take his writing utensils from his belt, and compose an ode, — and such papers were found afterward in the helmets or the breastplates when these were removed from their lifeless wearers.

74) What Christianity has done in Europe toward rousing compassion in the midst of belligerent horrors, love of music and letters has done in Japan. 

75) The cultivation of tender feelings breeds considerate regard for the sufferings of others. 

76) Modesty and complaisance, actuated by respect for others' feelings, are at the root of politeness.

現代英文訓読法で

69

私の訳: 69) 我々はケルナーの短い人生における英雄的な出来事を賞賛欣慕する。彼が戦場で傷つき倒れた時に彼は彼の有名な「生命への告別」を著した。
 70)似たような種類の出来事は我々の(日本の)の合戦で全く珍しいことではなかった。

whenは、非制限的用法の関係代名詞。この場合、特に訳を当てなくても良いように思う。コンマの前で文章を切る働きがあると考えた。

farewell /fèərwél, ⦅英⦆でまた-́-̀/ (!名詞の前ではfárewèll)
〖fare(旅をしろ)well(うまく)〗
名詞複~s /-z/
1 ⦅かたくやや古⦆U別れ; C別れの言葉[あいさつ]
▸ a final [fond, tearful] farewell
最後の[愛情をこめた, 涙の]別れ
say [bid] farewell to her
彼女に別れを告げる (!… to one's job (仕事を辞める)のように比喩的にも用いられる) .
2 〖形容詞的に〗別れの
▸ a farewell party
送別会.

warfare /wɔ́ːrfèər/ (!-ar-は /ɔːr/ )
〖war(戦争に)fare(進む)〗
名詞U〖しばしば修飾語を伴って〗
1 «…との» 戦争, 戦闘, 交戦状態, «…に対する» 攻撃, 武力行使 «against, on» (!特に戦いの方法に言及する際に用いられる)
▸ chemical [biological, germ, nuclear] warfare
化学[生物, 細菌, 核]兵器戦
▸ guerilla [trench] warfare
ゲリラ[塹壕(ざんごう)]戦.
2 (一般に)闘争, 抗争
class [gang] warfare
階級闘争[ギャング団の抗争]
▸ psychological warfare
心理戦.


矢内原忠雄訳: 69-70) ケルナーは戦場に傷つき倒れし時、有名なる「生命への告別」を賦した。彼の短命な
る生涯におけるこの英雄的行為を我々は賞嘆欣慕するが、同様の出来事は我が国の合戦」
において決して稀ではなかった。




71

私の訳: 71)我々の簡潔で短い詩は一つの感情を即興詩に表すことに特に良く適している。

pithy /pɪ́θi/
形容詞
1 髄の(ような), 髄の多い.
2 〈表現などが〉簡潔で要を得た, 端的な; 力強い; 含蓄のある.

epigram /épɪɡræ̀m/
名詞C
1 (機知に富む)警句; 警句的表現.
2 (警句的な)短い風刺詩.

improvisation /ɪmprɑ̀(ː)vəzéɪʃ(ə)n|ɪ̀mprəvaɪ-/
名詞
U即興[即席]で作る[行う]こと; C即興詩[曲, 画, 演奏, 演技].

sentiment /séntəmənt/
名詞複~s /-ts/
1 UC⦅かたく⦆ «…についての» 感情, 意見, 考え方; (美的)情操, 情緒 «about, on» (→emotion類義)
▸ public [popular] sentiment
世論, 国民感情
▸ anti-American sentiment
反米感情
▸ My sentiments exactly.
まったくその通りです (!同意表現)
▸ share A's sentiments
A〈人〉と同感である.
2 U⦅時にけなして⦆ «…についての» (安っぽい)感傷, «about»
▸ There's no room for sentiment in business.
ビジネスに感傷の入る余地はない.
3 C⦅かたく⦆(お祝いなどの)あいさつの言葉.

矢内原忠雄訳: 71) 我が国の簡潔遒勁(しゅうけい)なる詩形は、特に物に触れ事に感じて咄嗟(とっさ)の感情を表現するに適している。




72

私の訳:72)ある程度教養のある人は、和歌か俳句の詠んだ

Everybody of any education
of + 抽象名詞 = 形容詞のように訳しても良い
この場合は、「ある程度教養のある人」

poetaster /póʊətæ̀stər|-̀--́-/
名詞
Cへぼ詩人.

辞書にはないが、poet or a poetasterを、「和歌、俳句を詠む人」とした
辞書には
poet 詩人  poetaster へぼ詩人

矢内原忠雄訳: 72) 多少の教養ある者は皆和歌俳諧を事とした。




73

私の訳: 73) 従軍している武士がふと心に浮かんだであろうか、駒を止め、彼のベルトから彼の筆記用具を取り出して、歌を詠み - 彼らの命がなくなった体から兜や鎧の胸当てが取り外された時、兜や鎧の胸当ての内側に後でそのような紙(歌が書かれた紙)が見つけられたことも稀なことではなかった。

infréquently
副詞
たまに, まれに
▸ not infrequently
(予想に反して)よく, しばしば.

halt1 /hɔːlt, ⦅英⦆hɔlt/ (!⦅英⦆ /hɔlt/ は若者に多い)
〖語源は「ドイツ語haltmachen(停止する)」から〗
名詞複~s /-ts/ C
1 〖単数形で〗(一時的永久的な)停止, 休止, 中止; 中断 (!stopよりかたい語)
come to a halt
〈車などが〉止まる
call a halt (to A)
(A〈事〉を)中止[停止]するように命じる; (A〈事〉を)やめる
bring A to a halt
A〈事車など〉を中断[中止, 停止]させる.
2 ⦅主に英⦆(駅舎のない)停車場, 仮設駅.
grìnd to a hált
1 〈車などが〉きしみ音を立てて徐々に停止する.
2 〈国家経済サービスなどが〉徐々に機能しなくなる.
動詞~s /-ts/ ; ~ed /-ɪd/ ; ~ing (!stopよりかたい語)
自動詞
〈人事などが〉(一時的に急に)止まる, 停止する; 終わる
Halt!
止まれ (!不審者あるいは行進中の兵士などに対して用いる) .
他動詞
〈人事など〉を止める, 停止させる; …に歯止めをかける.

utensil /juténs(ə)l/
名詞C⦅かたく⦆
1 〖通例~s〗(家庭, 特に台所の)用具, 器具
▸ cooking utensils
調理器具
▸ kitchen utensils
台所用品.
2 (一般の)道具
▸ writing utensils
文房具.

ode /oʊd/
名詞
C⦅文⦆オード, 賦(ふ), 頌(しよう)歌, «…に» ささげる詩 «to, on» 〘特定の人物を称(たた)える詩〙.

bréastplàte
名詞
C(よろいの)胸当て〘皮金属製〙.

see1 /siː/ (!seaと同音)
〖「見る, 会う」>「経験する」>「理解する」〗
⦅SVO(+)⦆⦅SVO(C)⦆他動詞1a見える 1b, 6見る
5考える 7想像する
⦅SVO⦆他動詞2会う
⦅SVO⦆⦅SV(+)⦆他動詞4自動詞2わかる, 理解する
他動詞3自動詞3見てみる, 調べる
⦅SV(+)⦆自動詞1目が見える
動詞~s /-z/ ; saw /sɔː/ ; seen /siːn/ ; ~ing
7 〈出来事未来など〉を想像する, 心に思い描く, 予見する; 〖(can) see Adoing〗A〈人事〉が…しそうだと思う; 〖(can) see A as C〗A〈人〉がCである姿を想像する (!Cは名詞形容詞; 通例進行形にしない)
▸ Where do you see the future of feminism?
フェミニズム運動はこの先どの方向に向かうと思いますか
▸ We couldn't see them agreeing to that.
彼らがそれに同意するとは思えなかった
▸ I can't see him as chairman of the committee.
彼が委員長になるなんて想像できない.

矢内原忠雄訳: 73) 戦場に馳する武士が駒を止め、腰の矢立を取りだして歌を詠み、しかして戦場の露と消えし後、兜もしくは甲の内側からその詠草の取りだされることも稀ではなかった。



74

私の訳: 74)ヨーロッパにおいて戦闘中の恐怖の最中に、哀れみの心を目覚めさせることをキリスト教が為してきたが、日本においては、音楽や文学への嗜好がそのことを為してきた。

rouse /raʊz/
動詞~s /-ɪz/ ; ~d /-d/ ; rousing
他動詞
1 ⦅かたく⦆【眠り昏睡(こんすい)などから】〈人〉を起こす, 目覚めさせる «from, out of» (!日常語ではwake A up)
▸ I was roused (from my sleep) by the whistle of a train.
汽車の汽笛で私は(眠りから)目覚めた.
2 «…するように» 〈人〉を元気づける «to do» ; 【良くない状態から/活動状態へ】〈人〉を奮起させる «from/to» ; 〖~ oneself〗奮起する
▸ Eva roused herself enough to answer questions.
彼女は気持ちを奮い立たせて質問に答えた.
3 〈感情など〉をかきたてる(arouse)
rouse interest from the audience
聴衆の興味をそそる.
4 【感情などを】〈人〉に起こさせる «to» ; 〖通例be ~d〗怒る, 興奮する
▸ His words roused Jane to frustration.
彼の言葉はジェーンに欲求不満を起こさせた.

compassion /kəmpǽʃ(ə)n/
〖com(共に)passion(苦しむこと)〗
名詞
U【弱者に対する】(深い)同情, 哀れみ «for, on» (!sympathyよりも深い同情と助けようという気持ちを表す)
have [show] (great [deep]) compassion for others
他人に対して(深く)同情する[(深い)同情の念を表す]
feel [feel no] compassion for one's patients
患者に対して哀れみを感じる[感じない].

belligerent /bəlɪ́dʒər(ə)nt/
形容詞
1 〈人態度などが〉好戦的な, 強い敵意を持った.
2 ⦅かたく⦆〖名詞の前で〗交戦中の〈国など〉.

horror /hɔ́ːrər|hɔ́rə/
〖語源は「(恐怖で)毛が逆立つこと」〗
horrible, horrify
名詞複~s /-z/
1 U恐怖, うろたえ, ぞっとする思い(→fear名詞1)
to one's horror
恐怖でぞっとしたことに, 肝を冷やしたことには
in horror
ぞっとして.
2 C〖通例~s〗恐ろしい経験, 惨事, 悲惨さ
▸ the horrors of traffic accidents
交通事故の恐ろしさ.

矢内原忠雄訳:74) 戦闘の恐怖の真唯中において哀憐の情を喚起することを、ヨーロッパではキリスト教
がなした。それを日本では、音楽ならびに文学の嗜好が果したのである。



75

私の訳: 75)優しい感情の育成は他人の苦痛に対する思いやりのある配慮を生む。

cùltivátion
名詞U
1 耕作(すること)
▸ under cultivation
耕作中で.
2 栽培(すること).
3 (技能態度印象などの)洗練, 修練, 教化, 育成; (関係などの)強化.

regard /riɡɑ́ːrd/
〖re(後ろを)gard(守る); rewardと同源〗
regarding, 形副regardless
名詞複~s /-dz/
1 U⦅かたく⦆ «…に対する» 敬意, 尊敬; 好意; 評価 «for»
▸ I have high [little] regard for my teacher.
私は先生をとても尊敬している[ほとんど尊敬していない]
hold A in high [low] regard
Aのことを高く[低く]評価している.
2 U⦅かたく⦆ «…に対する» 配慮, 思いやり; 考慮, 注意 «for, to»
▸ have no regard for safety
安全への配慮がない
pay special regard to students' health
生徒の健康を特に考慮する.

considerate /kənsɪ́d(ə)rət/
→consider
形容詞more ~; most ~
〈人が〉【他の人などに対して】思いやりのある, 優しい «of, to, toward(s)» ; 〖it is ~ of A to do〗…するとはAは思いやりがある (!A is ~ to doは⦅まれ⦆) ; 〖it is ~ to do〗…するのは思いやりのある行為だ(╳it is ~ that …としない)(→kind1類義)
▸ We should be considerate of [towards] other road users.
私たちはほかの道路使用者に対して配慮すべきだ
It's very considerate of you (to say so).
(そう言っていただけるとは)なんて優しい人なんでしょう (!文脈から明らかな場合, to不定詞は省略されることがある) .


矢内原忠雄訳: 75) 優雅の感情を養うは、他人の苦痛に対する思いやりを生む。


76

私の訳: 76) 他人の感情を尊敬することによって駆り立てられる謙虚さと慇懃さは礼の根本にある。

modesty /mɑ́(ː)dəsti|mɔ́d-/
→modest
名詞U
1 ⦅ほめて⦆(ふるまい話し方の)謙虚なさま; 謙虚さ, 謙遜, 控えめ(↔arrogance); 内気, 遠慮
▸ false [⦅かたく⦆feigned] modesty
うわべだけの謙虚さ
Modesty forbids (me).
⦅話おどけて⦆慎み深い私には言えない.
2 (特に女性の)控えめな態度[服装]; 慎み深さ, しとやかさ.
3 (場所量計画などが)控えめ[ささやか]であること; 適度.

complaisance /kəmpléɪs(ə)ns|-z(ə)ns/
名詞
U⦅かたく⦆丁寧, いんぎん.

actuate /ǽktʃuèɪt/
動詞
他動詞⦅かたく⦆
1 〈機械器具装置など〉を作動[始動]させる, 動かす(activate).
2 〖通例be ~d〗〈人が〉【衝動感情などに】駆り立てられる, 動かされる «by» ; «…するように» 駆り立てられる «to do» .


矢内原忠雄訳: 76) 而して他人の感情を尊敬することから生ずる謙譲・慇懃(いんぎん)の心は礼の根本をなす。






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