第1章 神とは?
私は最近、この「神」「神々」とは何か、と言うことについて思い当たることがあったので、記してみたい。
結論から言うと、「神」「神々」とは、その当時の「支配者」であったと思う。支配者であるから、もちろん人間であり、天の上に住んでいるわけでもなく、四次元、5次元空間に住んでいるわけではない。我々と同じ3次元空間に住んでいるのである。
世界に神話は数々ある。旧約聖書もそうだし、日本における古事記、あるいは、ヨーロッパのギリシア神話など。いろいろな神が登場して活躍する。あるいは、途轍もなくバカをやり、他の神々のみならず地上の人間たちに大きな迷惑をかけることもある。
まず、私はここでは、我々日本人にとって身近な古事記を例に出し、考えてみる。
世界を作る イザナギノミコトとイザナミノミコト
古事記は日本創世の神話である。たくさんの神々が登場して、黄泉の国に行ったとか、太陽の神が洞窟に隠れてこの世がまっ暗になって皆、大変困った、など荒唐無稽な話しも多い。
彼らは人間離れした能力を持つ神であるが、彼らの行動は支配者のそれであると考えて古事記を読むとあの話しはけっこう辻褄が合うように思う。
草薙剣(くさなぎ の つるぎ)での野原を瞬間的に焼き払い、敵を一気に焼き討ちにしたとか、八つの首を持つおどろおどろしいヤマタノオロチを成敗したりしている。
これは政ろわぬ者(まつろわぬ者)つまり自分たちの政治に従わないものを成敗した、ということであろう。
八岐大蛇
今の熊本県の近くでは「土蜘蛛」という種族があり、これを殲滅した、と書かれている。「土蜘蛛」という種族、となると土の中に住む蜘蛛人間であるかのように禍々しい印象を与えるが、きっと人間である。その地域の部族を滅ぼした、ということなのだろう。古事記では、禍々しい姿をした怪物みたいなものを討ち取ったかのごとく書いてあるが、ただ、異民族を討った、と言うことなら、世界中でどこででも起こっていることであるので分かりやすい。
旧約聖書、ギリシア神話にも多数見られる。例えばギリシア神話では、迷宮にいる髪の毛が蛇の恐ろしい姿をしたメンドゥーサーを倒した話、など。これも自分たちに従わない者を征伐した話であろうと思う。
傑作なのは、支配者階層の神々はけっこう人間界の女性と仲良しになったりするのである。
宮崎県を旅行したことがあるが、宮崎県は神々の故郷である。アマの磐船に乗って神武天皇ら一行が高千穂の峰(宮崎県)に降り立ったとされている。そしてまずは宮崎県を拠点に活動をしていたと思われるが、それ故、宮崎県内にはそのような神話時代の神社がたくさんある。そしてそこに神々と人間お娘が仲良しになったというゆかりの神社も多数見た。
これも神々を支配者層と考えると、支配者がその領域の女性を娶る、というのは古今東西を問わずよくみられる話である。
古事記の神々も出雲の国の制圧には手を焼いたようだ。
古事記では、「国譲り」という形になっている。
つまり出雲国の主であった大国主の命が自分の国を譲ったのである。そのあと、大国主の命は「根の国」に行ったそうだ。そのあと、出雲に大きな出雲大社という神殿を建てたという。
おそらく、出雲国は手強かったのであろう。占領しても住民の頑強な抵抗が予想された。支配しても住民が言うことを聞かず自分たちのために働いてくれなければ、富を得られないのである。
この話 簡単に言うと、やはり出雲国は戦いに敗れ、その大将であった大国主命は殺されたのであろう。しかし、そのままでは住民の抵抗が予想されたので、「国譲り」の話をでっち上げて、大国主は根の国に自発的に行ったこととして、そして、彼を讃えるために大きな神殿 出雲大社を作ったのであろう。
草薙の剣
こう考えると大きなところでスッキリとするのではないかな。
神話の神々は当時の支配者で、支配者の軍勢が、異民族や他の種族を平伏、あるいは殲滅して自分たちの領土を拡大してきた歴史。
その話は、自分たちこそが正義であるような勧善懲悪物が主となるし、そうして、自分たちの圧倒的な力と、大いなる徳、慈悲を語るのである。時として、話を面白くするためにホラ話も混ぜる。草薙剣が火と風を起こし、敵の群を草薙剣を地面に立てるや否や敵が滅びた、とか、恐ろしい人喰い龍である八岐の大蛇の話とか。ギリシア神話の髪が蛇であり、見たらその瞬間、見た人が石になってしまうメンドゥーサーの話とか 等等。
さて、本題のバベルの塔の話でも、神々とは当時の世界の、あるいはこの地域の支配者であったのであろう。
彼らはバベルの塔を建造する人間たちに恐れを抱いたのである。
神々ともあろう人たちが何を恐れたのか。それは第2章で語ろう。
出雲大社
序章 バベルの塔で何が起こったのか? ・・・人間の言葉と神々の恐れること
第1章 神とは?https://newsapporoporosis.blogspot.com/2018/10/blog-post_1.html
第2章 神は何を恐れたのか?
第3章 神々が恐れたもの・・・それは言葉
第4章 当時の歴史的背景
第5章 当時の寿命
第6章 神々はどのようにして人々の言葉を乱したのか
第7章 例えば、現代の日本でも起こっているかもしれない、いや、確実に起こっているバベルの塔
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