2020年5月26日火曜日

ヘミングウェイ著 Cat in the Rain  Phase 1



原文で
Ernest Hemingway – ‘Cat in the Rain’

There were only two Americans stopping at the hotel. 

They did not know any of the people they passed on the stairs on their way to and from their room. 

Their room was on the second floor facing the sea. 

It also faced the public garden and the war monument. 

There were big palms and green benches in the public garden.

In the good weather there was always an artist with his easel. 

Artists liked the way the palms grew and the bright colors of the hotels facing the gardens and the sea.

Italians came from a long way off to look up at the war monument. 

It was made of bronze and glistened in the rain. 

It was raining. 

The rain dripped from the palm trees. 

Water stood in pools on the gravel paths. 

The sea broke in a long line in the rain and slipped back down the beach to come up and break again in a long line in the rain. 

The motor cars were gone from the square by the war monument. 

Across the square in the doorway of the café a waiter stood looking out at the empty square.




現代英文訓読法で






一文ずつ解説
訳:そのホテルに泊まっているのは二人のアメリカ人だけだった。

コメント:
stoppingを「泊まっている」と訳すことができるだろうか。
何となく情景は思い浮かぶのであるが、訳するとなるとけっこう骨が折れるところ。
日本語がうまく作られない、というか。




訳:彼らの部屋へ行く時、または出る時に途中の階段で彼らがすれ違った人々を彼らは誰も知らなかった。

コメント:難しい単語など一つもない。英文の文法構成も単純で明白だ。しかし、日本語に訳する時にうまく「てにをは」の助詞が当らないという、もどかしさがあった。意味もうまく取れない。難しい。しかし、言われてみると、「なんだ そうか」という文章である。


訳:彼らの部屋は二階にあり、海に面していた。


訳:彼らの部屋はまた公園と戦争記念碑に面していた。


訳:その公園には大きなヤシの木と緑色のベンチがあった。



訳:良い天気の日にはイーゼルを携えた一人の画家がいつもいた。

easel /íːz(ə)l/
名詞
Cイーゼル, 画架.


訳:画家たちはヤシの木が生い茂ったその道を、そして、庭や海に面しているそのホテルの明るい彩りが好きだった。

コメント:Artists liked the way the palms grew and の and をどう解釈するかが難しいと思った。一見単純な構造の文章に見えるが、なかなか頭を捻らなければならない文章ではないだろうか。


訳:イタリア人たちは遠くからその戦争記念碑を見上げるためにやって来た。



訳:その記念碑は銅で作られていて、雨に濡れて輝いていた。

bronze /brɑ(ː)nz|brɔnz/
名詞複~s /-ɪz/
1 U青銅, ブロンズ〘銅(copper)と錫(すず)(tin)の合金〙; 銅合金.
2 U青銅色.
3 Cブロンズ像, ブロンズ製の美術作品.
4 CU銅メダル(bronze medal)(→gold,silver).

glisten /ɡlɪ́s(ə)n/ (!-t-は発音しない)
動詞~s /-z/ ; ~ed /-d/ ; ~ing
自動詞
【水分油脂などで】(濡れて)ぴかぴか光る «with»
▸ The streets glistened with rain.
道路は雨に濡れて光っていた.


訳:雨が降っていた。



訳:雨がヤシの木々から滴(したた)り落ちた。


訳:水が砂利道の水溜りに溜まっていた。

コメント:よく知っている単語であるが、使い方が微妙な単語が2つ。stand と pool。
stand : 「立つ」という意味が一般的であるが「たまる」という意味もある。
pool : 泳ぐプールを思い浮かべるが「水たまり」の意味である。
gravel : 私は grave:墓 を思い浮かべて、「お墓へ続く道」と思ったが間違い。
gravelは「砂利、小石」という意味であった。

stand /stænd/
〖原義は「人動物が足で立つ[立っている]」; 〗
→station語源
形名standing
8 〈液体が〉たまる, よどむ; 〈こねた物が〉寝かせてある
▸ Water has stood in the pipe.
パイプの中に水がたまっている
▸ Leave the pie to stand for 10 minutes.
⦅レシピ⦆パイを10分間寝かせておきます.

pool1 /puːl/
〖原義は「水たまり」〗
名詞複~s /-z/ C
1 (水泳用)プール(swimming pool); (子供用の)小型プール
▸ an indoor pool
屋内プール
▸ a heated pool
温水プール.
2 (海や川の周辺などで自然と)水のたまった場所, 水たまり; (自然にできた)小さな池(→pond).
3 〖a ~ of A〗A〈液体光など〉のたまり, たまった所 (!AはU名詞; 地面床などの表面に自然な丸みをもって広がっている様子を示す)
a pool of water [blood, light]
水たまり[血の海, 日だまり].
4 (川の)ふち, よどみ; (水をたたえたような)深みを持った丸い形 (!目を描写する表現)
▸ the liquid pools of her verdant eyes
彼女の青く潤んだ目.

gravel /ɡrǽv(ə)l/
名詞U
1 砂利, 小石
▸ a gravel road [pit]
砂利道[採石場].
2 〘医〙(結石より小さい)結砂.

cf
grave1 /ɡreɪv/
〖語源は「掘られた場所」〗
名詞複~s /-z/ C
1 墓穴, ; 墓所 (!tombよりも一般的な語で, 主に地中の墓(穴)をさす; tombはしばしば装飾を施した大型の石造の墓所廟(びよう)をさす)
▸ a grave marker [site, stone]
墓標[地, 石]
▸ a grave robber
墓泥棒
▸ visit one's grandfather's grave
祖父の墓参りをする
▸ take [carry] the secret to the grave
秘密を墓場まで持っていく; 死ぬまで秘密を漏らさない
▸ Someone (has) just walked over [on] my grave.
今誰かが自分の墓の上を歩いたような気がする (!ぞっとした際に用いる慣用表現) .

訳:波は雨の中、長い境界線(波打ち際)で砕けた。そして海岸から引いていって、そしてまた打ち寄せては雨の中、長い境界線(波打ち際)で再び砕けた。

コメント:難しい単語はないのにすごく難しい文章であると思う。
不定詞のto come up をどうするか。
breakが現在形になっている。brokeではない。
これは何か。breakも不定詞なのである。to が省略されている。
このto不定詞の用法は「結果を表す副詞的用法」である。
受験でも不定詞の訳に困った時には、よくこの「結果を表す副詞的用法」が出てきていた。

「結果を表す副詞的用法」を簡単に例文を見ておさらいしておこう。
The girl grew up to be a fine violinist.
 (その少女は大きくなってすてきなバイオロニストになった)
 to beを「目的を表す副詞的用法」として訳すると
  その少女はすてきなバイオロニストになるために成長した、となる。変である。

My grandfather lived to be ninety.
(私の祖父は生きて90歳になった)
 同様にto beを「目的を表す副詞的用法」として訳すると
  私の祖父は90歳になるために生きていた、となる。やはり変である。人間は寿命を操ることはできないのである。

2つのandの扱いについて。
*のandは、このandで前と後ろが対等節となる。
**のandは、二つの不定詞to comeと(to) breakをつなげている。

「結果を表す副詞的用法」と、andを適切に解釈してやっと正確な訳に辿り着くことができるのである。非常に難しい。

sea /siː/ (!seeと同音)
名詞複~s /-z/

3 C〖修飾語句を伴って; しばしば~s〗(ある状態の); , 大波
▸ a heavy [calm] sea
荒れた[穏やかな]海
▸ the closed seas
領海
▸ All the sailors drowned in the rough seas.
乗組員は荒海で全員溺死した.


5 〖the ~〗海辺, 海岸(seaside)
▸ We're spending a week at the sea next week.
来週は海辺で1週間過ごす予定です
▸ My uncle lives by the sea.
叔父は海岸沿いに住んでいます.

訳:自動車は戦争記念碑の側の広場からいなくなった。

コメント:自分にとって簡単ではなかった。前置詞には日本語の助詞を当てて訳してゆくことが多いが、うまく当らない。
were goneで「いなくなった」とするのですね。私は分からず往生しました。
しかし言われてみると、アッと分かる。


訳:広場の向こう側のカフェの入り口の中でウェイターが誰もいない広場をじっと見ながら立っていた。

コメント:acrossが難しいです。これも前置詞がうまく日本語の助詞と当らない。すると訳せない、あるいは、訳がボケる。よくない。

across /əkrɔ́ːs|əkrɔ́s/
〖cross(十字)>「横断して」〗

3 〖場所〗〈道川など〉の向こう側に, «…から» …を越えた所に «from»
▸ a hotel across the street from the museum
博物館から道を渡った向こう側にあるホテル
▸ live just across the river
川を越えてすぐの所に住んでいる(≒live just on the other side of the river)
▸ Someone was watching her from across the room.
誰かが部屋の向こう側から彼女を見ていた.












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