原文
33) It passes current among us as a piece of authentic history, that as Ota Dokan, the great builder of the castle of Tokyo, was pierced through with a spear, his assassin, knowing the poetical predilection of his victim, accompanied his thrust with this couplet:
"Ah! how in moments like these
Our heart doth grudge the light of life";
whereupon the expiring hero, not one whit daunted by the mortal wound in his side, added the lines:
"Had not in hours of peace,
It learned to lightly look on life.”
現代英文訓読法で
33
私の訳:江戸城の偉大なる建設者である太田道灌のことは我々の間で本当の話として広く知られている。太田道灌が暗殺者により槍で突かれた時に、この暗殺者は道灌が詩を好むことを知っていた。暗殺者は槍を突きながら以下の上の句を詠んだ。
「嗚呼、このような瞬間に我々の心は生命の光を惜しむのであろうか」(実際の詩は「かかる時さこそ生命の惜しからめ」)
すぐに息も絶えんとする英雄はその致命的な重傷によっても少しも怯むことなしに彼の暗殺者の側で下の句を続けた。
「平静の時にも我が身はないものとしていた。我が身は命を平然とみるものだと知っていたさ」(実際の詩は「かねてなき身と思ひ知らずば」)
文法
1行目のthatから以下すべてが、冒頭のitを形式主語とする真主語である名詞節である
authentic /ɔːθéntɪk/
形容詞more ~; most ~
1 〈絵画著作などが〉真正の, 本物の; 〈食物などが〉伝統製法の; (一般に)本物の, 本心の
▸ an authentic French dish
正統なフランス料理.
2 〈情報などが〉確実な, 信頼できる; 事実に基づく.
3 ⦅ほめて⦆〈復元品が〉本物そっくりの, 元の物に忠実な.
pierce /pɪərs/
動詞~s /-ɪz/ ; ~d /-t/ ; piercing
他動詞
1
a. 〈人が〉 «とがったもので/…に» 〈物〉を刺す, 貫く, 突き通す, …に穴をあける «with, by/into»
▸ pierce the orange with a fork≒ pierce a fork into the orange
フォークでオレンジを刺す.
b. 〈とがったものなどが〉〈物〉を刺す, 突き抜ける
▸ The bullet pierced the door.
弾丸はドアを貫通した.
c. 〈人物が〉【物に】〈穴〉をあける «in»
▸ pierce three holes in the board
板に穴を3つあける.
spear /spɪər/ (!-earは /ɪər/ )
名詞複~s /-z/ C
1 やり, 投げやり (!狩猟戦闘用; 競技用はjavelin) ; (魚を突く)やす.
2 (アスパラガスブロッコリーなどの)細長い芽, 若芽, 若枝.
predilection /prèd(ə)lékʃ(ə)n|prìːdɪ-/
名詞
C⦅かたく⦆ «…に対する» 特別の[強い]好み, 偏愛 «for» .
victim /vɪ́ktɪm/
〖語源は「いけにえの動物」〗
動victimize
名詞複~s /-z/ C
1 (犯罪災害病気境遇などの)犠牲者, 被害者; (悪意などの)えじき
▸ an innocent victim
罪のない犠牲者
▸ crime victims≒victims of crime
犯罪の犠牲者
▸ flood victims
洪水の被災者
▸ AIDS victims
エイズ患者
▸ a victim of fraud
詐欺の被害者.
2 〘宗〙(神への)いけにえ, 犠牲(sacrificial victim).
thrust /θrʌst/
名詞
1 Cぐっと押すこと, 押し;強く突き刺すこと, 突き
▸ the thrust of a kitchen knife
包丁での一突き.
2 〖the ~〗要点, 主眼, 主旨
▸ the (main) thrust of the speech
演説の主旨.
3 UC〘機〙(飛行機などの)推進力, 推力;〘地〙衝上(しようじよう)断層;〘建〙推力〘アーチの両端にかかる力〙.
4 UC猛攻, 襲撃; 厳しい批判.
couplet /kʌ́plət/
名詞
C2行連句, 対句〘同数の詩脚[音節]から成り押韻する2行〙.
doth /dəθ, ⦅強⦆dʌθ/
動詞
⦅古⦆do1の三人称単数直説法現在形(does).
current /kə́ːr(ə)nt|kʌ́r-/
〖語源は「走っている」〗
3 〈人が〉【情報などに】詳しい, 精通して «on» .
pàss [gò, rùn] cúrrent
〈うわさなどが〉広まる; 〈お金が〉通用する.
accompany /əkʌ́mp(ə)ni/
〖ac(…に入る)company(仲間)〗
動詞-nies /-z/ ; -nied /-d/ ; ~ing
他動詞
1 ⦅かたく主に書⦆〈人が〉〈他の人〉に同行する, …と一緒に行く (!(1)しばしば受け身で. (2)会話ではgo [come] with …が普通)
▸ Children under 13 must be accompanied by [╳with] an adult.
13歳未満の子供は大人の同伴が必要です
▸ Robert went on a journey, accompanied by his wife.
ロバートは夫人同伴で旅行に出かけた
▸ How many children are accompanying you?
お連れのお子様は何名様でいらっしゃいますか.
2 ⦅かたく主に書⦆〈事が〉〈他の事〉に付随して起こる, …と同時に起こる; 〖be accompanied by A〗A〈事〉を伴う
▸ A cold is often accompanied by a cough.
かぜはせきを伴うことが多い
▸ snow accompanied by [╳with] high winds
強風を伴う雪 (!snow with high windsの方が日常的表現) .
3 «…で» 〈歌手主要楽器〉の伴奏をする «on» (!しばしば受け身で)
▸ She sang a song accompanied on the piano by her sister.
彼女は妹のピアノ伴奏で歌を歌った.
4 〈本文書などが〉〈機械など〉に付いている, 付属する
▸ an accompanying booklet [CD]
添付の解説書[同梱のCD].
5 …に伴う, 加わる; «…を» …に加える, 添える «with»
▸ Potatoes usually accompany steak.
ステーキには普通ポテトが付いている
▸ He accompanied the word with a blow.
彼はそう言うが早いかなぐりつけた.
lightly /láɪtli/
→light2
副詞
1 軽く, そっと(gently); 軽やかに, 敏捷(びんしよう)に
▸ I kissed her lightly on the cheek.
私は彼女の頰に軽くキスをした
▸ walk lightly
軽やかに歩く.
2 少し, ちょっと, あっさり, 浅く
▸ lightly cooked eggs
軽く火を通した卵
▸ a lightly armed soldier
軽武装の兵
▸ sleep lightly
浅い眠り方をする
▸ eat lightly
軽く食事する.
3 気軽に, 平然と; 陽気に, 快活に
▸ “I do my best,” she said lightly.
「全力でやるわ」と彼女は明るく言った
▸ take bad news lightly
平然と悪い知らせを受ける.
thrust /θrʌst/
名詞
1 Cぐっと押すこと, 押し;強く突き刺すこと, 突き
▸ the thrust of a kitchen knife
包丁での一突き.
2 〖the ~〗要点, 主眼, 主旨
▸ the (main) thrust of the speech
演説の主旨.
3 UC〘機〙(飛行機などの)推進力, 推力;〘地〙衝上(しようじよう)断層;〘建〙推力〘アーチの両端にかかる力〙.
4 UC猛攻, 襲撃; 厳しい批判.
grudge /ɡrʌdʒ/
名詞
C «…に対する» 恨み, 遺恨, 悪意 «against»
▸ bear [hold, have] a grudge against A
A〈人など〉に恨みを抱いている
▸ a grudge match
遺恨試合.
動詞
他動詞
1 〖~ (A) B〗(Aに)Bを与えるのを惜しむ, やりたがらない; 〖~ doing〗…したがらない
▸ grudge the time [money]
その時間[お金]が惜しい.
2 〖~ (A) B〗(A〈人〉の)Bをうらやむ, ねたむ
▸ He grudged (me) my success.
彼は私の成功をねたんだ.
whereupon /(h)wèərəpɑ́(ː)n|-pɔ́n, -́--̀/
副詞
1 ⦅かたく/文⦆〖関係副詞〗(…して)その結果(…だ), (…の後)すぐに(…する) (!非制限的に) .
2 ⦅廃⦆=whereon 2.
expire /ɪkspáɪər, eks-/
動詞~s /-z/ ; ~d /-d/ ; expiring
自動詞
1 〈文書合意事項役職などが〉期限が切れる, 満了する, 満期になる; 期限切れで失効する(run out, terminate)
▸ The lease on my apartment expires next month.
アパートの賃貸契約が来月切れる.
2 ⦅文⦆息を引き取る, 亡くなる(→die1類義).
3 ⦅かたく⦆息を吐く(breathe out)(↔inspire).
他動詞
【肺から】〈息〉を吐く «from» .
daunt /dɔːnt/
動詞
他動詞
〖通例be ~ed〗 «…で» 不安になる, たじろぐ «by, at» ; 自信を失う
▸ I was daunted by the bungee jumping.
バンジージャンプにたじろいだ.
nòthing dáunted
⦅英かたくやや古⦆少しもひるまずに.
whit /(h)wɪt/
名詞
C⦅やや古⦆ほんのわずか(bit) (!次の成句で) .
nòt one [a] whít
⦅かたく古⦆全然[まったく]…ない(not at all).
lòok ón
1 «…を» 傍観する, 見物する «at» .
2 【人と】一緒に本などを見る[読む] «with» .
矢内原忠雄訳: 33)信ずべき史実として伝えらるるところによれば、江戸城の創建者たる太田道灌が槍にて刺された時、彼の歌を好むを知れる刺客(しきゃく)は、刺しながら次のごとく上の句をよんだ、
かかる時さこそ生命の惜しからめ
これを聞いてまさに息絶えんとする英雄は、脇に受けたる致命傷にも少しるひるまず
かねてなき身と思ひ知らずば
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