2020年5月11日月曜日

武士道 第27講(改定)


27講
原文で
55) Thus, whatever the sources, the essential principles which Bushido imbibed from them and assimilated to itself, were few and simple. 

56) Few and simple as these were, they were sufficient to furnish a safe conduct of life even through the unsafest days of the most unsettled period of our nation's history. 


57) The wholesome unsophisticated nature of our warrior ancestors derived ample food for their spirit from a sheaf of commonplace and fragmentary teachings, gleaned as it were on the highways and byways of ancient thought, and, stimulated by the demands of the age, formed from these gleanings a new and unique type of manhood. 

現代英文訓読法で
55
私の訳:このように源泉がどうであれ武士道が源泉から吸収しそれ自身に同化した本質的な原理は少数かつ単純であった.


文法:whatever the sources (is),のようにisを補って考えてあげると良い。これで譲歩を表す副詞節となる。

imbibe /ɪmbáɪb/
動詞⦅かたく⦆
他動詞
1 〈アルコール〉を摂取する.
2 〈空気湿気など〉を吸収する, 吸い込む.
3 〈文化思想など〉を受容する, 受け入れる.
自動詞
飲む; 吸い込む; 吸収する.

assimilate /əsɪ́məlèɪt/
動詞~s /-ts/ ; ~d /-ɪd/ ; -lating
他動詞
1 ⦅かたく⦆(理解して)〈考え知識など〉を自分のものにする, 吸収する(absorb)
assimilate knowledge
知識をものにする.
2 «…に» 〈民族思想文化など〉を 同化する, 融合する(integrate) «into, to, with»
▸ The newcomers were assimilated into American society.
新来者たちはアメリカ社会に溶け込んだ
assimilate oneself to new surroundings
新しい環境になじむ.
3 «…に» …をたとえる «to, with» .
4 〈食物など〉を消化[吸収]する(digest).
5 〘音声〙〈音〉を同化する.
自動詞
1 ⦅米⦆ «…に» 同化[融合]する «into, to, with» .
2 〈食物などが〉消化[吸収]される.

55)かくのごとく、その瀕源の何たるを問わず、武士道が自己に吸収同化したる本質的なる原理は少数かつ単純であった。


56
私の訳:それらは数少なく単純ではあったが、それらは我が国の歴史の中で最も不安定な時代の最も不安な日々を通してさえも人生の安全な処世訓を供給するのに十分であった。

文法解説
不定詞の副詞的用法の中の、形容詞の意味を限定する副詞的用法について
Your question is impossible to answer.
(あなたの質問は答えるのは不可能である)
to answerの不定詞の用法は?と、問われたら、形容詞impossibleの意味を限定する副詞的用法、と答える

もうひとつ
This book is easy to read.
(この本は読むのには簡単である)
to readの不定詞の用法は?と、問われたら、形容詞easyの意味を限定する副詞的用法、と答える

最後の一つ
Be sure to turn off the gas.
(ガス栓を閉めたか確認してください)
to turnの不定詞の用法は?と、問われたら、形容詞sureの意味を限定する副詞的用法、と答える

ここでは敢えて、不定詞の用法の中で形容詞の意味を限定する副詞的用法について解説して、その具体的な訓練法に言及した。
 英文法は、結局パターン認識である。
 英語にはパターンがあるので、そのパターンごとにマスターしていこう、というのが英文法である。そしてそのパターンに「名称」が付いているのである。
 この場合はこのto不定詞について「形容詞の意味を限定する副詞的用法」という名前がついているのである。
 そしてその訓練法であるが、上記したように
「この不定詞の用法は?」と問われたら
「形容詞⚪️⚪️の意味を限定する副詞的用法である」と答えるようにするのである。
 いささかワンパターンで教条的に思えるかもしれないが、このようなことを繰り返していくと、文法の知識が初めて身につき体で分かってくるものである。

furnish /fə́ːrnɪʃ/
〖原義は「必要なものを供給する」〗
動詞~es /-ɪz/ ; ~ed /-t/ ; ~ing
他動詞
1 〈人が〉〈部屋家など〉に家具などを備え付ける;〖furnish A with B〗A〈部屋家など〉にB〈家具など〉を備え付ける, 設備する (!furnishは調度品などを備え付けること; equipは装置や器具などを装備すること; →furniture)
furnish a house
家に家具を備える
▸ Her room is sparsely furnished.
彼女の部屋は家具がぱらぱらとしかない
furnish a library with books
図書館に本を備える.
2 ⦅かたく⦆〈人などが〉〈必要品〉を用意する; 〖furnish A with B/B to A〗A〈人など〉にB〈必要品〉を供給する, 与える(supply)
furnish him with all he needs
彼に必要な物を全部供給する
▸ You must not furnish personal information to a third party.
第三者に個人情報を与えてはいけない.

unsettled /ʌ̀nsét(ə)ld/ /⦅強勢移動⦆/
形容詞more ~; most ~
1 〈社会情勢などが〉不安定な, 不安な; 〈時代が〉不穏な, 動乱の.
2 〖be ~〗〈人が〉不安で, 動揺して; 〈心が〉不安定な.
3 〈問題などが〉未決定の, 未解決の
▸ an unsettled conflict
未解決の紛争.
4 〈天気が〉定まらない, 変わりやすい(changeable)
unsettled weather
不順な天候.
5 〈胃が〉むかむかする, 調子が悪い.
6 〈土地が〉住人のいない.
7 〈人が〉定住しない.
8 〈勘定などが〉未払い[未決済]; 〈不動産などが〉未処理の.

56)少数かつ単純ではあったが、我が国民歴史上最も不安定なる時代における最も不安なる日々においてさえ、安固たる処世訓を供給するには十分であった。


57
私の訳:我々の武士の祖先の健全で素朴な性格はありふれた断片的な教訓の稲穂の束から彼らの精神にとっての豊富な糧を引き出した。その教訓はいわば古代の思想の大道や脇道で集められた、その時代の要求によって刺激されて出来上がったものである。そのような武士の祖先の健全で素朴な性格はそれらの集められたものから新しく独特な型の男の道(人間の道)を形成したのである。

文法:主部はすごく長く訳しずらい文章である。
つまり、The wholesome unsophisticated nature of our warrior ancestors derived ample food for their spirit from a sheaf of commonplace and fragmentary teachings, gleaned as it were on the highways and byways of ancient thought, and, stimulated by the demands of the ageが主部である
この中で、derivedは過去分詞でありnatureを修飾している。また、gleanedstimulatedteachingsを修飾しているのである。

wholesome /hóʊls(ə)m/
〖whole(健全に)some(適した)〗
形容詞more ~; most ~/⦅まれ⦆~r; ~st
1 〈食べ物などが〉健康によい
▸ a wholesome meal
体によい食事.
2 〈娯楽などが〉健全な, 有益な
▸ a wholesome TV show
ためになるテレビ番組.
3 〈人顔色などが〉健康そうな.

ùnsophísticated /-ɪd/ /⦅強勢移動⦆/
形容詞
1 〈人が〉(話し方行動が)洗練されていない, あか抜けていない; 世間知らずの.
2 〈道具手段などが〉精密でない, 凝っていない, お粗末な.

derive /dɪráɪv/
〖de(…から) rive(小川); 小川から水を引く〗
動詞~s /-z/ ; ~d /-d/ ; deriving
他動詞
1 ⦅かたく⦆〖derive A from B [doing]〗〈人などが〉B〈物事人〉[…すること]からA〈満足感利益知識など〉を引き出す, 得る
derive energy from the sun
太陽からエネルギーを得る
derive great pleasure from working
働くことで大きな喜びを得る.
2 〖A is derived from B〗A〈物言葉など〉がB〈起源〉から派生する, 得られる,Bに由来する(A derives from B, ⦅くだけて⦆A comes from B)
▸ This word is derived from German.
この単語はドイツ語に由来する.
3 «…から» …を推論する, 演繹(えんえき)する «from» .
4 〘化〙【化合物から】〈別の化合物〉を作る, 誘導する «from» ; 〘数〙〈関数〉を誘導する, 微分する.

ample /ǽmp(ə)l/
形容詞~r; ~st〖通例名詞の前で〗
1 «…のための/するのに» 十分すぎるほどの, 豊富な «for/to do»
▸ have ample time
時間がたっぷりある
ample opportunity [evidence]
十分な機会[証拠].
2 広い, 広大な
ample room
広々としたスペース.
3 ⦅遠回しに書⦆太った, 大きい; 豊満な〈体型など〉(⦅連語⦆bosom, figure, torso).

sheaf /ʃiːf/
名詞複sheavesC〖通例a ~〗
1 【刈り取った穀物の】束 «of» .
2 (書類などの)束.

commonplace /kɑ́(ː)mənplèɪs|kɔ́m-/
〖原義は名詞2; 形容詞の用法は17世紀から〗
形容詞more ~; most ~
1 〖通例be ~〗ごく普通の, よくある[見られる], ありふれた (!commonより⦅書⦆でよく用いられる)
▸ Cell phones have become commonplace.
携帯電話は普通のものになった.
2 〈言葉表現などが〉ありきたりの, 陳腐な.

glean /ɡliːn/
動詞
他動詞
1 «…から» 〈情報知識など〉を少しずつ収集する «from»
▸ The information is gleaned from various Web sites.
その情報はさまざまなウェブサイトから拾い集めたものだ.
2 〈落ち穂〉を拾い集める.
自動詞
落ち穂拾いをする.

às it wére
⦅かたい話⦆〖挿入的に〗いわば (!as if it were soを短縮したもの: ╳as it wasとしない)
▸ A son is, as it were, a part of his father. ≒A son is a part of his father, as it were.
息子というのは, いわば父親の一部だ.

gleanings /ɡlíːnɪŋz/
名詞〖複数扱い〗
1 (苦労して集めた)情報.
2 落ち穂.

manhood /mǽnhʊ̀d/
〖man(成人) hood(状態); 〗
→man
名詞
1 U男らしさ, 勇気 (!性別の差を示さない場合はcourageなどを用いる)
▸ prove one's manhood
自分の男らしさを証明する.
2 U成人男子であること; (男子の)成人 [壮年] (↔womanhood)
▸ grow to manhood
大人の男になる.
3 U⦅文⦆〖集合的に〗(一国の)成年男子全体(↔womanhood)
▸ British manhood
イギリスの成年男子.
4 C⦅文遠回しに⦆〖単数形で〗男性の性器, 陰茎.
5 U人間であること(⦅男女共用⦆humanity).

57)我々の祖先たる武人の健全純朴なる性質は、古代思想の大路小路より抜き集めたる平凡かつ断片的なる教訓の穂束から彼らの精神の十分なる糧を引き出し、かつ時代の要求の刺激のもとに、これらの穂束から新しくかつ比類なき型の男性道を形成したのである。




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