2020年5月29日金曜日

京都大学入試(前期 理系) 2017年 1番 その1



現代英文訓読法は難しい英文を和訳するのに適している。
これを使うと難しい英文でも実に簡単に読むことができる。
今回は大学入試の問題にチャレンジしてみた。
我々の受験をしていた頃より、英文和訳の問題は減少している、と聞いている。
しかし、難関大学や医学部の本試験(学校別の入試問題)には、昔ながらのこってりとした英文解釈が出題されている。
京大の問題は特に難解であるので、今回は現代英文訓読法を用いてこれを解いてみた。
確かに難解である。
今回は、2017年の1番の問題の(2)の英文和訳を行った。
この文章の前後4つの文章を訳してみた。
時間はかかった。全部で2時間くらいかかった。

現代英文訓読法は作るのに時間がかかるのである。
ただ、一回作ると、しっかりと勉強が出来るので、がっちりと頭に入る。
また、しばらくして読んで見ると、原文だけではなかなか苦しいものがあるが、
現代英文訓読法を読むとあっさりと思い出すし、分かる。

しかし私は「現代英文訓読法を自分で作ってみなさい」とは言わない。
それよりも、誰かが一旦作れば、それを読むと皆が簡単に原文で読むことが出来るであろうことを期待している。
 例えば、私は新渡戸稲造著の「武士道」を英語で読みながら、訓読法を作っている。
 訓読法を作りながら読んでいる、というのが実情だ。
 武士道の英文は実にすばらしい。典麗荘重である。
 さすがは新渡戸稲造先生。大変な頭脳の持ち主である。
 しかし、読むのには難しい。故に実に骨が折れる。

 ただ、一回このようなものが作られていると、他の人がこの「現代英文訓読法」で武士道を読むともっと容易に読み進めるものと思う。
 それと同じように、京都大学の入試問題は難しいが、一回このような訓読法があれば、受験生は今よりもずっと容易に取り組むことが出来るであろう。

 受験勉強のことを言えば、最初に「現代英文訓読法」で書かれたものをよく読んで理解して、覚えるべき単語や文法事項を覚えたり、おさらいしたりする。
 そして、その上で、原文で読んでみる。
 これを繰り返すと、着実に実力がつくであろう。

 そのような「ご利益」が、この「現代英文訓読法」にはあると私は思っている。

 さて、前置きはこのくらいにして、実際の京都大学の入試問題をみてみよう。

原文:3)を和訳せよ、というのが、実際の問題であった。

1) Desertification as a concept is extremely important, however, not least because the fear it generates drives a multimillion-dollar global anti-desertification campaign that impacts the lives of millions of people.

2) Desertification is also important because it was the first major environmental issue to be recognized as occurring on a global scale.   

3) As such, the way that the "crisis of desertification" was conceptualized, framed, and tackled as a policy problem shaped in numerous ways our reactions to subsequent environmental crises such as deforestation, biodiversity loss, and climate change. 

4) Global concern about desertification is most commonly dated to the 1970s when a great drought and famine hit the sub-Saharan region with terrible suffering and mortality, and resulted in coordinated global action in the form of the 1977 UN Conference on Desertification. 

実際の問題




現代英文訓読法で








一文ずつ解説
私の訳:しかし概念としての砂漠化は極めて重要である。その理由はとりわけ、砂漠化が生み出すところの恐怖が数百万人の生活に影響を与えるところの、百万ドルの地球規模の反砂漠化運動を推進するからである。

nòt léast
⦅かたく⦆特に, とりわけ
We have changed our scheme, not least because of the time savings.
我々が計画を変更したのはもっぱら時間節約のためである.

campaign /kæmpéɪn/ (!-ai-は /e/ ; 語末-gnのgは発音しない)
〖「平原」>「野戦」>「選挙運動など」〗
名詞複~s /-z/ C
1 «…を支持する/…に反対する/…するための» (政治的社会的)運動, キャンペーン «for/against/to do» ; (商業的)宣伝活動; ⦅米⦆選挙運動, 遊説
conduct [run] a campaignagainst violence [for freedom]
暴力反対[自由獲得のための]運動を行う
the 1984 Presidential campaign
1984年の大統領選挙運動
launch [mount] an advertising campaignto save endangered animals
絶滅の危機に瀕(ひん)した動物を救うための広告キャンペーンを開始する
The President promised tax cuts on the campaign trail.
大統領は遊説中に減税を公約した.
2 (一連の)軍事行動
plan a bombing campaign
爆破計画を立てる.


私の訳:また砂漠化は重要である。というのは、それ(砂漠化)が、地球規模で起こるということが認識された最初の大きな環境問題であったからである。


私の訳:だから、「砂漠化の危機」が政策の問題として概念化され、規格化され、取り組まれたそのやり方は、森林破壊、生物多様性の消失、気候変動のような引き続いて生じた環境問題に対する我々の対応を数多くの点で方向付けた。

問題文では、この冒頭のas such(たとえば)の内容がわかるようにこの文章を訳せよ、ということであるので、前の文章の内容を書けば良いのである。

模範解答としては

「砂漠化の問題は地球規模で生じていると認められた最初の重要な環境問題であったので、「砂漠化の危機」が政策の問題として概念化され、規格化され、取り組まれたそのやり方は、森林破壊、生物多様性の消失、気候変動のような引き続いて生じた環境問題に対する我々の対応を数多くの点で方向付けた。」

でよかろう。


 As such:だから
concéptualìze
動詞⦅かたく⦆
他動詞
〈人が〉 «…として» 〈物事〉を概念化する, …の概念を形成する «as» .
自動詞
〈人が〉概念化する.

frame /freɪm/
〖語源は「(役立つように)木材を準備する」〗
動詞~s /-z/ ; ~d /-d/ ; framing
他動詞
1 〖通例be ~d〗〈物などが〉縁取られる, 枠にはめられる; 〈絵写真が〉額に入れられる
a landscape framed in the window
窓によって切り取られた風景
a framed picture of her late husband
彼女の亡夫の額入り写真〘欧米では家族の写真を家に飾るのが一般的〙.
2 ⦅くだけて⦆〖通例be ~d〗〈人が〉【犯罪の】ぬれぎぬを着せられる, はめられる(up) «for» ; 〈試合で〉八百長が仕組まれる(up)
Kerry was framed for a crime that didn't occur.
ケリーはありもしない犯罪の罪を着せられた.
3 ⦅書⦆〈計画理論など〉を構築する, 考え出す, 組み立てる(put together); 〈人物など〉 «…に合うように/…するように» 作る «for/to do»
frame one's life
自分の生活設計をする.
4 (特定の文体形式などで)〈事〉を表現する, 言い表す(express).

shape /ʃeɪp/
〖語源は「創り出されたもの」〗
動詞~s /-s/ ; ~d /-t/ ; shaping(分詞shaped)
他動詞
1 〈人が〉 «…に» 〈思想計画など〉を形作る, 具体化する «into» ; 〈事時などが〉〈考え態度など〉に影響を与える, …を方向づける; …を言い表す(express)
shape one's ideas (into a book)
考えを(本に)まとめる
shape a question
質問を口に出す.
2 «…から» 〈物〉を形作る(form) «from, out of» ; 〖~ A into B〗A〈材料〉を押してB〈物〉を作る
shape clay into balls
粘土で球を作る
It is shaped like an apple.
それはリンゴのような形をしている.
3 «…に» 〈物〉を適合させる, 合わせる(adapt) «to» (!しばしば受け身で)
The hat is shapedto your head.
その帽子は君の頭に合う
You should shape your plans to your abilities.
自分の能力に合わせて計画を立てなさい.

subsequent /sʌ́bsɪkw(ə)nt/ (!強勢は第1音節)
〖sub(下に)sequent(続く)〗
subsequently
形容詞比較なし
⦅かたく⦆〖名詞の前で〗その後の, 続いて起こる; (順序が)次の
the outbreak of World War I and the subsequent Russian Revolution
第1次世界大戦の勃発とその後のロシア革命.

deforestation /dìːfɔ̀ːrɪstéɪʃ(ə)n|-fɔ̀r-/
名詞
U(森林の)伐採, (森林を)焼き尽くす[破壊する]こと.

bìodivérsity
名詞
U生物[種の]多様性.

私の訳:砂漠化についての地球規模の関心は大方、1970年代に始まったとされる。この時に大きな旱魃と飢饉がサハラ砂漠以南を襲い、大変な苦しみと死をもたらした。その結果、1977年の国連砂漠防止会議という形で協調的な地球規模の行動となった。

date to __ B.C.
紀元前_年から始まる

drought /draʊt/ (!-ough-は /aʊ/ )
名詞複~s /-ts/ CU
1 旱魃(かんばつ), 長期の日照り; (慢性的な)水不足
Mexico has been suffering a drought for the last 5 years.
メキシコはこの5年間ずっと旱魃に見舞われている.

famine /fǽmɪn/ (!-mineは /mɪn/ )
〖原義は3〗
名詞複~s /-z/ U〖具体例ではa (…) ~〗
1 (長期間に及ぶ)飢饉(ききん); 極度の食糧不足
famine camps
(飢饉による)難民キャンプ
severe [widespread] famine
ひどい[広範囲にわたる]飢饉
raise money for famine relief
飢饉の救済のため募金をする.
2 (物資の)不足, 欠乏, 払底
a water famine
水不足.
3 ⦅古⦆飢え, 飢餓.

result in

date1 /deɪt/
〖昔, 手紙を送るとき発信地日付の前にData(…で与えられた[書かれた])を書き記したことから〗
動詞~s /-ts/ ; ~d /-ɪd/ ; dating
他動詞
1 〈人が〉〈手紙小切手など〉に日付を書く[入れる]; 〖be ~d C〗C〈日付〉が記されている
The newspaper was dated January 17, 1998.
その新聞の日付は1998年1月17日だった.
2 «…であると» 〈古い物〉の年代を定める[突き止める] «to, at»
The remains were dated to about 3000 years ago.
その遺跡は約3000年前のものだと特定された.
3 ⦅米⦆〈異性〉とデートをする; 付き合う
I've dated a French man.
私はフランス人と付き合ったことがあるわ.
4 〈言動服装などが〉〈人〉の年齢(が高いこと)を示す; 〈人物〉を時代遅れに見せる
I remember the Sapporo Olympics―that dates me, doesn't it?
札幌オリンピックを覚えているけど, そんなこと言うと年が知れるよね.
自動詞
1 〈服技術などが〉時代遅れになる.
2 ⦅米くだけて⦆付き合う(→go1 out(2))
We've been dating for about a month.
私たちは付き合ってほぼひと月になる.
3 〈手紙などが〉 «…の» 日付となっている «from» .
4 〈作品などが〉ある時代[時期]に属する.
dàte báck to A
〈物事が〉A〈ある時代〉に遡る
The tradition dates back to the fourteenth century.
その伝統は14世紀に遡る.

mortality /mɔːrtǽləti/
名詞U
1 死亡率(mortality rate, death rate)
the high [low] infant-mortality rate
高い[低い]乳児死亡率
cancer mortality
(がん)による死亡率.
2 死ぬべき運命, 死を免れないこと(↔immortality).
3 〖時にa ~〗(戦争などによる)大量死; 死亡者数.
4 〖集合的に〗人類.

suffering /sʌ́f(ə)rɪŋ/
→suffer
名詞複~s /-z/
UC(精神的肉体的な)苦しみ, 苦悩, 苦しむこと; 〖通例~s〗苦難, 苦痛, 災難
human suffering
人間の苦悩
sue for pain and suffering
慰謝料請求の訴訟を起こす.






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