2020年4月23日木曜日

武士道 第1章 第2講(改定)

大変なことに気がついた。私が参考にしていた本には、武士道の全文は載っていないことに気がついた。前からチラリと変だな、と思ったことはあったが、今までやってきた。この本には「抄訳」とある。「抄訳」とは原文の一部分を抜き出して翻訳することを言う。これでは自分には良くない、と思っている。私は完訳を目指したい。これから少しずつ直していって、直したところには(改)と付すようにしようと思う(令和2年4月23日)。

武士道 第1章 第2講(改定)

原文
4) It is a pleasure to me to reflect upon this subject in the language of Burke, who uttered the well-known touching eulogy over the neglected bier of its European prototype.

5) It argues a sad defect of information concerning the Far East, when so erudite a scholar as Dr. George Miller did not hesitate to affirm that, chivalry, or any other similar institution, has never existed either among the nations of antiquity or among the modern Orientals. 

6) Such ignorance, however, is amply excusable, as the third edition of the good Doctor's, work appeared the same year that Commodore Perry was knocking at the portals of our exclusivism. 

現代英文訓読法で
utter2 /ʌ́tər/
〖語源は「外に出す」〗
動詞~s /-z/ ; ~ed /-d/ ; ~ing /ʌ́t(ə)rɪŋ/
他動詞⦅かたく⦆
1 【人に】〈言葉など〉を言う, 口にする, 発する «to» ; 〈叫び声ため息など〉を発する, (どうにか)…を声に出す; ⦅書⦆〖直接話法〗…と言う(→say類義, 他動詞1a語法)
▸ without uttering a single word of criticism
批判を一切口にせず
utter a moan
うめき声をもらす.
2 〈考えなど〉を述べる, (言葉で)表現する; …を公にする; 出版する
utter one's opinion
意見を表明する.
3 〘法〙〈偽造貨幣など〉を流通させる, 使用する.
自動詞
⦅かたく⦆話す, 言葉を発する.

tóuching
形容詞
感動的な, ほろりとする, 胸を打つ(moving).

neglect /nɪɡlékt/ (!強勢は第2音節)
〖neg(ない)lect(拾い上げる)〗
negligence, negligent
動詞~s /-ts/ ; ~ed /-ɪd/ ; ~ing
他動詞
1 〈人が〉〈人物事〉の世話[管理]を怠る, …を放っておく, かまわない
neglect one's children [health]
子供の面倒をみない[不摂生をする].
2 〈人が〉〈注意すべき事人〉を軽視する, 無視する, 気に留めない (!ignoreよりも意図的な含みは弱い)
▸ a great work neglected by the world
世間に顧みられない名作
neglect the public
大衆をないがしろにする
neglect the essentials of the problem
問題の本質に目を向けない.
3 〈人が〉〈義務仕事など〉を怠る, なおざりにする
neglect one's studies
勉強をおろそかにする.
4 ⦅かたく⦆〖~ to do/⦅まれ⦆doing〗〈人が〉(怠慢不注意で)…するのを怠る, …し忘れる
▸ My doctor neglected to mention the danger involved in the operation.
私の担当医はその手術に伴う危険性の告知を怠った.

eulogy /júːlədʒi/
名詞複-gies
1 C【人の功績などに対する】賛辞, 称賛の言葉[演説]; ⦅米⦆(死者の徳をたたえる)頌(しよう)徳文, 弔辞 «of, on» .
2 U(一般に)称賛.

bier /bɪər/ (!beerと同音)
名詞
C棺台(ひつぎだい), 棺架(かんか)〘埋葬時に棺や遺体を運んだり, 安置するのに用いる可動式の台〙.

prototype /próʊtətàɪp/
名詞
C【機械などの】原型; 試作品; «…の» 典型 «of, for»
▸ build the first prototype
第1号機を試作する.

reflect /riflékt/
〖re(後ろへ)flect(曲げる)〗
reflection
動詞~s /-ts/ ; ~ed /-ɪd/ ; ~ing
他動詞
1 〈物が〉〈光熱など〉を反射する; 〈音〉を反響する
▸ Your glasses are reflecting the light.
めがねが光を反射しているよ
▸ The sound was reflected by many obstacles.
音は多くの障害物に当たって反響した.
2 〈物事が〉〈状況感情など〉を反映する, 表す, 示す; 〖~ wh節〗…であるかを反映する (!通例進行形にしない)
▸ This painting reflects his feeling [how he feels].
この絵は彼の気持ちを映し出している
▸ The recent economic slowdown is reflected in sales figures.
最近の経済の低迷は売上高に表れている.
3 〖~ that節/wh節〗…ということを[…かを]熟考する, よく考える; ⦅書⦆〖直接話法〗…と思い起こす(→say他動詞1a語法)
▸ Laura reflected that they were wrong to marry.
ローラは彼らの結婚は間違いだったと考えた
▸ “It was like hell,” he reflected.
「それは地獄のようだった」と彼は思い起こした.

私の訳:この主題についてバークの言語(英語)で熟考することは私にとって愉快な事である。バークはヨーロッパの騎士道の顧みられる事のなくなった棺台の上でよく知られた感動的な弔辞を発したのである

矢内原忠雄訳:ヨーロッパにおいてこれと姉妹たる騎士道が死して顧(かえり)みられざりし時、ひとりバークはその棺の上にかの周知の感動すべき讃辞を発した。いま彼れバークの国語 (英語〕をもってこの問題についての考察を述べることは、私の愉快とするところである。



 ●最初の It は形式主語。a sad defect of informationを指す。(と解釈したが疑問は残る。文法的にこのようなやり方はありなのか? 自分には分からない)
⭕️when も少し変わった使い方。下記参照
when /wen, 時に⦅弱⦆wən|wen/
接続詞〖従位接続詞〗
2 〖照合理由譲歩〗 (!通例主節の後で)
a. …と考えると; …だから (!主節の陳述疑問の根拠を表す)
▸ We can't call him a pacifist when he sometimes justifies violence.
彼は暴力を正当化することもあり真の平和主義者とは言えない
▸ Why do you expect me to help you when you don't try yourself?
君は自分で何もしようとせずにどうして僕に助けてもらえると思うんだ.

erudite /érjədàɪt|éru-/
形容詞
⦅かたく⦆博学な(learned); 〈書物話などが〉学識を感じさせる
affirm /əfə́ːrm/
動詞~s /-z/ ; ~ed /-d/ ; ~ing
他動詞⦅かたく⦆ (!通例進行形にしない)
1 (真実であると)〈人が〉〈事〉を認める, 肯定する, 断言[主張]する; 〖~ (to A) that節〗(A〈人〉)…だと肯定[断言]する;〖~ A to be C〗A〈人物事〉はCであると断言する;⦅書⦆〖直接話法〗…と断言する(→say他動詞1a語法)
affirm a scientific truth
科学上の真理を認める
▸ Dick affirmed that his judgment was correct [his judgment to be correct].
ディックは自分の判断が正しいと断言した.
2 〈人が〉〈意見考えなど〉の支持を表明する; …を擁護する; 〈物事が〉…を確証する; 〈人〉に敬意を表す
affirm the right of the individual
個人の権利を擁護する.
3 〈考え感情など〉を強める.
4 〘法〙〈上級裁判所が〉〈下級審判決〉を支持[確認]する; (法廷での宣誓に代えて)…を確約する.
自動詞
1 «…を» 断言[確言, 肯定]する «to» .
2 〘法〙〈上級裁判所が〉下級審判決を支持する; 〈人が〉(宣誓せずに)証言する; (取消可能な契約を)追認する.

antiquity /æntɪ́kwəti/ (!強勢は第2音節)
→antique
名詞複-ties /-z/
1 C〖通例-ties〗古代の遺物[遺跡, 美術品].
2 U古代〘特に古代ギリシャローマの時代〙; 古(いにしえ)の時代
in antiquity
太古の昔(に).
3 U(年代を経て)きわめて古いこと.

argue /ɑ́ːrɡjuː/ (!-gueは /ɡjuː/ )
〖語源は「明らかにする, 証明する」〗
argument
動詞~s /-z/ ; ~d /-d/ ; arguing
自動詞
1 〖argue (with A) (about [over] B)〗〈人が〉(A〈人〉)(Bのことで)論争する (!Bは名詞, しばしばwh節句) (→discuss類義); 言い争う, 口論する
argue about who is the best player [which movie to see]
誰が最高の選手かということで論争する[どの映画を観に行くかで言い合いをする]
argue with other students about human rights
ほかの生徒と人権について意見を戦わせる
Don't argue (with me), OK?
つべこべ言うんじゃない, わかったな
▸ We have never argued since we got married.
私たちは結婚してから口げんかをしたことがない.
2 〖argue (for [against] A)〗〈人が〉(理由を挙げて)(Aに賛成[反対])主張をする, 論を述べる (!Aは名詞動名)
argue for [against] the government's economic measures
政府の経済政策に賛成[反対]を唱える
▸ as I argue in my recent book
私の近著で論じているように.
他動詞
1
a. 〖argue that節〗〈人が〉(理由を挙げて)…だと主張する, 論じる; ⦅書⦆〖直接話法〗…と主張する(→say他動詞1a語法)
▸ The local shopkeepers argue that the big supermarket is hurting their businesses.
地元の店主たちはその大型スーパーは自分たちの商売に打撃を与えていると主張している
It could [can] be argued that his decision was wrong.
彼の決断は間違っていたといえよう.
b. 〈人などが〉(理由を挙げて)〈主張事など〉を論じる, 議論する
argue the point
論争する, あげつらう
argue the case for mercy killing
安楽死を支持する主張を展開する.
2 ⦅主に英⦆〈人が〉 «…するように/…しないように» 〈人〉を説得する «into/out of»
▸ I argued Terry into helping me with my homework [out of drinking].
私は宿題を手伝ってくれるように[飲酒をしないように]テリーを説得した.
3 ⦅かたく⦆〈物事などが〉…を立証する; 〖~ (that)節〗…ということを立証する
▸ This tradition argues that education is necessary for all of us.
この伝統は教育が万民に必要であることを示している.

私の訳:ジョージ ミラーのような博学の学者が武士道、あるいは、他の似たような制度は古代、あるいは現代の東洋の諸国に存在した事はなかったと躊躇なく言ってのけた事から極東に関する情報の悲しい程の欠乏が分かる。

矢内原忠雄訳:ヨーロッパにおいてこれと姉妹たる騎士道が死して顧(かえり)みられざりし時、ひとりバークはその棺の上にかの周知の感動すべき讃辞を発した。いま彼れバークの国語 (英語〕をもってこの問題についての考察を述べることは、私の愉快とするところである。

amply /ǽmpli/
副詞
〖通例過分動詞形容詞の前で〗十分に, たっぷりと; 十分すぎるほどに(⦅連語⦆demonstrate(d); reward(ed)).
excúsable
形容詞
(人の行動などが)許される, 申し訳の立つ(↔inexcusable)
▸ an excusable mistake
無理もない誤り.
commodore /kɑ́(ː)mədɔːr|kɔ́m-/
名詞C
1 〘海軍〙准将, 代将〘少将と大佐の間の地位〙.
2 〘英海軍〙船隊司令官.
3 提督〘艦隊の艦長やヨットクラブ会長などの敬称〙.
4 商船隊船長.
exclusivism
排他主義、排外思想、排外主義、排他主義

私の訳:しかしながらそのような無知は十分に申し訳が立つ。なぜならば、ペリー提督が我々の鎖国主義の門を叩いていたその同年に、この良き博士の第3版の著作が発行されたのだから。

矢内原忠雄訳:しかしながらかかる無知は恕すべき点が大である。何となればこの善き博士の著書の第三版は、ペリー提督が我が国鎖国主義の戸を叩きつつあったと同じ年に発行せられたのであるから。






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