実は大変なことに気がついた。私が参考にしていた本には、武士道の全文は載っていないことに気がついた。前からチラリと変だな、と思ったことはあったが、今までやってきた。この本には「抄訳」とある。「抄訳」とは原文の一部分を抜き出して翻訳することを言う。これは自分の目指すところではない。私は完訳を目指したい。これから少しずつ直していって、直したところには(改)と付すようにしようと思う(令和2年4月23日)。
少しずつ改定作業を進めている。
抄訳では、半分くらい省いているようだ。
やっていて、何か宙に浮いている感じがしていたが、今、読み進めていると、しっくりと来るものを感じている(令和2年4月25日)。
原文
24)We cannot, therefore, point out any definite time and place and say, "Here is its fountainhead.
25) ” Only as it attains consciousness in the feudal age, its origin, in respect to time, may be identified with feudalism.
26) But feudalism itself is woven of many threads, and Bushido shares its intricate nature.
現代英文訓読法
私の訳:我々は如何なるはっきりとした場所と時間をそれ故に指し示すことができない。また、「ここが武士道の源泉ですよ」と言うこともできない。
24) 矢内原忠雄訳:それ故に我々は明確なる時と場所とを指して、「ここに泉の源がある」と言うことができない。
私の訳:ただ武士道は封建時代に意識を獲得するのであるから、その源は時代という点において封建制度と同一視されても良いのかもしれない。
【表現・文法】
as : asにはいろいろな意味があるが、ここでは理由を表す接続詞として用いられている。
As it was raining, we decided to stay home.
雨が降っていたので家にいることにした
25) 矢内原忠雄訳:ただそれは封建時代において自覚せられたものであるから、時に関する限りその起源は封建制と同一であると見てよかろう。
私の訳:しかし、封建制度そのものはたくさんの糸を織って作られている。そのため武士道はその複雑な性質を分かち持っているのである。
and /(ə)nd, (ə)n, ⦅強⦆ænd/ (!⦅記号⦆&; →ampersand)
接続詞〖等位接続詞〗
c. 〖結果〗(前述の事柄が引き起こす結果を述べて)それで, そのため, そうすると (!しばしばso, thereforeと共に用いる)
▸ She had a bad cold and lost a lot of weight.
彼女はひどいかぜをひき, ずいぶん体重を落とした
▸ He told her the truth and she wept.
彼は彼女に真実を話した, すると彼女は涙を流した.
weave /wiːv/
動詞~s /-z/ ; wove /woʊv/ , 他動詞6, 自動詞2~d /-d/ ; woven /wóʊv(ə)n/ , 〘商〙wove, 他動詞6, 自動詞2~d; weaving
他動詞
1 〈糸など〉を織る; 〈竹枝など〉を編む; …を織り[編み]合わせる(together); «…を» …を織って[編んで]作る «into»
▸ weave wool into fabric
羊毛を織って布地にする(↓2).
2 (織機で) «…から» 〈布〉を織る; 〈かごなど〉を編む, 作る «from, (out) of»
▸ weave fabric from [out of] wool
羊毛から布地を織る(↑1).
3 «…に» …を編み込む, より合わせる «into»
▸ weave one's hair into braids
髪を三つ編みに編む.
26) 矢内原忠雄訳:しかしながら封建制そのものが多くの糸によって織り成されているのであり、武士道もその錯綜せる性質を享(う)けている。
さくそう0【錯綜】
(名)スル
物事が複雑に入り組んでいること。入りまじっていること。錯雑。「指揮系統が―している」「―した論理展開」
現代英文訓読法 目次 (新渡戸稲造 武士道もここにあります)
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