私は18歳になっていた。
大学1年生のころ。
なぜか当時好意を抱いていたPさんと連絡が取れた。
Pさんが函館に帰省してくるのでその時に、函館駅で会おう、という話になった。
ヘマな私はなぜかその時一人の女性を連れて行った。
当時、付き合っている人などおらず、ちょっと駅まで一緒に行こう、と言える女の子さえいなかったが、何故かこのような大事な時にそのような女性を連れて行った。この女性が誰であるかは不明。
Pさんはなかなか来なかった。汽車が遅れているのだろう。
うねうねとした廊下を渡り古い造りの階段を降りて駅の片隅の待合室に移った。
私たちはその待合室で待っていた。
こんなところでPさんに会うのは大変まずいな、と思った。
しかし、時間が遅れすぎているのでもう来ないのではないか、とも思った。
その時に私に不思議な感情が起こった。
「前には」ここでPさん現れたな、という感情である。
果たせるかな、そこにPさんは現れた。
Pさんは綺麗な青色の絣(かすり)の着物を着ていた。大変お綺麗であった。
しかし、私が女性といるのを見て有り有りと失望の色を浮かべた。
Pさんはひょっとしたら私のことを好きだったのかな、と思った。
そしてPさんは、心を込めて描いた自画像を私にくれた。
私は用意していた小箱に入ったプレゼント・・・小箱はポケットに入れていたので多少歪んではいたが・・・をあげた。
それにしても私は余計なことをしたものだ。
という感じで夢が終わった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
寝ぼけ眼で少し考えていた。このようなことが確かにあったかな、と。
あったな・・・
いや、ない
あったな・・・
いや、ない
当時、Pさんは当時お付き合いをしている方がおられたとうわさで聞いている。
私と個人的に会うこともなかったろうし、私に好意を抱くこともなかった。
心を込めたプレゼントをもらうような謂れもない。
ただ、あの18歳の時の淡い空気感を楽しめただけでも幸福であっとしよう。
当時の函館駅
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