あらかじめ申し上げておくと、電子カルテをお使いの医師の方々、病院、医院は何も悪くないですし、何も責任はないと思うのです。
知らないところで勝手にやられてしまったのです。
このような中途半端な制度設計をした政府とそれを承認した国会、また、このようなことを働きかけた財界人こそが悪いのです。
NTTデータと一般社団法人ライフデータイニシアティブが組んで、電子カルテの情報を収集し、というか、電子カルテの業者から売ってもらって(もちろん病院や患者さんの許可なしに)、匿名化して、いろいろな研究機関や製薬会社に売るわけです。
ライフデータイニシアティブという会社を調べてみると、社長は、吉原博幸さんという宮崎大学の医学部を卒業した医師です。このような会社を立ち上げたのですね。
医師であれ、何であれ、ここに電子カルテの生データがドッと集まるわけです。
それをきちんと管理できるのか。ハッカー達の攻撃を躱す(かわす)ことができるのか。
電子カルテのデータ。その筋の人たちからみると非常に価値のあるものらしいです。
医師や患者さん、我々がが考えているよりもずっとずっと価値のあるものらしいです。
だから世界中のハッカーの猛攻に晒される(さらされる)はずです。
また、結局は人間のやることです。
NTTデータとかライフデータイニシアティブの職員にもいろいろな誘惑、脅しを含めた働きかけがあるはずです。
どこか一箇所に穴が開けば全部データが漏れてきます。
そしてこのようなことを取り扱う業者はこれからどんどん増えます。
外国の業者もどんどん参入してきます。実際にきっとどんどん手を挙げている。
大儲けができることが目に見えている。やったもの勝ちです。早い者勝ちです。
電子カルテの業者とどんどん提携したい。
電子カルテの業者は、自分の手元にある電子カルテをなるべく高く売りたい。
でもはっきり言ってあなたのものではないですよ。
患者さんのものであるし、それを作成した医療機関のものなのです。
電子カルテの運用形態もいろいろあります。
ダイナミクスという電子カルテがあり、これは基本的に医師が自分で運用するもの。
そこの病院で外部と接触なしに自分で運用しているのなら危険はきっとないでしょう。
しかし、このようなものは、現在では少数派です。
電子カルテの運用は非常に難しいです。専門家や業者の助けが必要です。
とにかくトラブルが起こったら診療全体がストップし何もできなくなります。
前の記事でも述べましたが、今の電子カルテは2通りが主流です。
クラウドといって業者のところにハードディスクが置いてあり、病院はこれにインターネットでアクセスして情報を入れていくというもの。
あと、電子カルテの管理をリモートアクセスと言って業者の本拠地から病院のコンピューターにアクセスして管理するもの。
どちらにしても、管理者がデータを抜くことは簡単です。
この法律 本来、他人様のものを何の関係もない人が売っぱらっても良い、という奇天烈な法律です。しかもどう見ても穴だらけ。
匿名していない情報をどこに流しても誰も分からない。
自民党の作る法律はこのようなものがすごく多いと思います。
みなさま自身がスルーせずに必死に考えなくてはならない問題だと思います。
すぐに身に降りかかってくることなのですから。
NTTデータ、匿名加工医療情報作成事業を開始 電子カルテを含む医療情報を収集、匿名加工し提供へ
石井 一志2019年12月19日 17:09
株式会社NTTデータは19日、次世代医療基盤法に基づき、初めて「認定医療情報等取扱受託事業者」認定を取得したと発表した。これにより、電子カルテを含めた詳細な医療情報を収集・匿名加工し、研究者などへ提供する「匿名加工医療情報作成事業」を、一般社団法人ライフデータイニシアティブと連携し、2020年1月6日より開始する。
日本における医療情報は、個人にかかわる機微な情報として「要配慮個人情報」に定義されており、その取り扱いが厳格化されているが、2018年5月に次世代医療基盤法が制定されたことで、匿名性が保たれた状態での活用が可能になったという。
具体的には、同法が定める認定匿名加工医療情報作成事業者、認定医療情報等取扱受託事業者において、厳格な利用目的などの審査を行ったうえで、医療情報を個人が特定できない情報へと加工することにより、大学や企業の研究機関などに対しての提供を行えるようになったとのこと。
今回、NTTデータが開始する事業では、日本全国の病院を中心とした医療施設からレセプトデータ、DPC調査データ、診療行為結果(アウトカム)情報を収集し、個人が特定できない匿名加工医療情報を作成する。研究者や製薬企業などは、この提供を受けることで、アウトカム情報を用いた高度な分析が可能になるとした。
具体的には、アウトカムを含むさまざまな医療情報を用いることにより、従来は利用が難しかった検査値などに加え、医師所見といった非構造化情報の活用による多角的分析が可能。また、施設や診療科をまたがった名寄せによる情報活用を行え、治療実績の動態を追跡することもできるという。さらに将来的には、数百万人を超えるアウトカム情報を収集し、従来存在しない大規模かつ詳細なデータベースを構築することにより、日本の研究開発の発展に寄与できるとのこと。
なお同事業では、認定匿名加工医療情報作成事業者であるライフデータイニシアティブが、匿名加工医療情報作成において法律で定める管理業務、利用目的などの審査を行う一方、NTTデータは、匿名加工医療情報を作成する業務の委託を受け、システムの維持運用を行うとしている。
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