原文で
BUSHIDO AS AN ETHICAL SYSTEM
1. Chivalry is a flower no less indigenous to the soil of Japan than its emblem, the cherry blossom; nor is it a dried-up specimen of an antique virtue preserved in the herbarium of our history.
2. It is still a living object of power and beauty among us; and if it assumes no tangible shape or form, it not the less scents the moral atmosphere, and makes us aware that we are still under its potent spell.
3. The conditions of society which brought it forth and nourished it have long disappeared; but as those far-off stars which once were and are not, still continue to shed their rays upon us, so the light of chivalry, which was a child of feudalism, still illuminates our moral path, surviving its mother institution.
現代英文訓読法で
日本語訳
私の訳:武士道とは日本の紋章、桜の花と同様に日本の固有の魂に咲いた花である。また、武士道は我々の歴史の直物標本箱の中に保存された古代の美徳の干からびた標本でもない。
著者としては皆様に現代英語訓読法を参照にしていただいて、自分なりの訳を考えていただきたいと思う。
【表現・文法】
no less than : Good sleep is no less important than ( = as important as) good food.
よく眠ることはよい食物を食べるように大切である
nor A : そしてAも・・・ない
makeは 使役動詞 make us aware that ~ : 我々に~であることを気がつかせる
矢内原忠雄訳:武士道(シヴァリー)はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。それは古代の徳が乾(ひ)からびた標本となって、我が国の歴史の腊葉(さくよう)集中に保存せられているのではない。
腊葉(さくよう) 押し花
私の訳:武士道は我々の中に力と美の対象として今もなお生きているのである。そして、武士道というものが触れられない形や姿と仮定するならば、武士道は道徳的な雰囲気の香りを放たないというわけではない。そして、我々がその強力な潜在的な魅力の中に今尚存在するということに気がつかせるのである。
矢内原忠雄訳:それは今なお我々の間における力と美との活(い)ける対象である。それはなんら手に触れうべき形態を取らないけれどる、それにかかわらず道徳的雰囲気を香らせ、我々をして今なおその力強き支配のもとにあるを自覚せしめる。
私の訳:武士道をはぐくみ、育てた、社会的条件が消え失せて久しい。かつては実在し、現在の瞬間には消失してしまっている、はるか彼方の星のように、武士道はなおわれわれの頭上に光を注ぎつづけている。封建制度の所産である武士道の光は、その母である封建制度よりも永く生きのびて、人倫の道のありようを照らしつづけている。
【表現・文法】
bring forth : 産む もたらす
諺 April showers bring forth May flowers. 四月の雨は五月の花を咲かせる
諺 April showers bring forth May flowers. 四月の雨は五月の花を咲かせる
survive : 〈物が〉…の以後も存続する
Our relationship cannot survive a betrayal like this.
こんな裏切りを受けてから私たちの関係を続けるわけにいかない.
矢内原忠雄訳:それを生みかつ育てた社会状態は消え失せて既に久しい。しかし昔あって今はあらざる遠き星がなお我々の上にその光を投げているように、封建制度の子たる武士道の光はその母たる制度の死にし後にも生き残って、今なお我々の道徳の道を照らしている。
訳
第一章 道徳体系としての武士道
1. 武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。それは古代の徳
が乾からびた標本となって、我が国の歴史の階葉集中に保存せられているのではない。
2. それは今なお我々の間における力と美との活ける対象である。それはなんら手に触れ得
べき形態を取らないけれども、それにかかわらず道徳的雰囲気を香らせ、我々をして今
なおその力強き支配のもとにあるを自覚せしめる。
3. それを生みかつ育てた社会状態は消え失せて既に久しい。しかし昔あって今はあらざる遠き星がなお我々の上にその光を投げ続けているように、封建制度の子たる武士道の光はその母たる制度の死にし後にも生き残って、今なお我々の道徳の道を照らしている。
矢内原忠雄訳:それを生みかつ育てた社会状態は消え失せて既に久しい。しかし昔あって今はあらざる遠き星がなお我々の上にその光を投げているように、封建制度の子たる武士道の光はその母たる制度の死にし後にも生き残って、今なお我々の道徳の道を照らしている。
訳
第一章 道徳体系としての武士道
1. 武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。それは古代の徳
が乾からびた標本となって、我が国の歴史の階葉集中に保存せられているのではない。
2. それは今なお我々の間における力と美との活ける対象である。それはなんら手に触れ得
べき形態を取らないけれども、それにかかわらず道徳的雰囲気を香らせ、我々をして今
なおその力強き支配のもとにあるを自覚せしめる。
3. それを生みかつ育てた社会状態は消え失せて既に久しい。しかし昔あって今はあらざる遠き星がなお我々の上にその光を投げ続けているように、封建制度の子たる武士道の光はその母たる制度の死にし後にも生き残って、今なお我々の道徳の道を照らしている。
(令和2年4月23日 改定)
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