青の池
官僚「政策反対なら異動」 菅官房長官
2020年9月13日
自民党総裁選で優位に立つ菅義偉官房長官は13日のフジテレビ番組で、政府が政策を決めた後も反対する官僚は異動させる方針を示した。「私ども(政治家は)選挙で選ばれている。何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば異動してもらう」と述べた。内閣人事局の在り方について、菅氏は見直す考えが「ない」と明言。同局は、中央省庁の幹部人事を一元的に扱い、政治主導の象徴とされる一方、官僚の忖度(そんたく)につながっているとの指摘もある。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091300259&g=pol
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今日は
皆様はこの記事に違和感をお持ちにならないだろうか。
選挙で選ばれた。だから仕方がないのであろうか。
選挙で選ばれたからといって、なんでもして良い訳はないだろう。
官僚とはその分野のプロであり、いわば側近。
その人たちの反対意見は一切聞かないという。
もしそうであれば、国民の意見など耳には入らないだろう。
自分の意に沿わない意見を聞くというのも政治家の重要な仕事、というか資質ではないだろうか。
これは選挙があろうと、民主主義であろうと、なかろうと、同じ。
君主(今の日本では総理)が独善的になった時、国は傾く。
それは歴史が教えてくれる。
私は菅氏のこの意見を聞いた時、論語の一節を思い出した。
論語 子路第13 より
(ちなみに、論語は、全部で20編あります)
まず訳から
- 魯の定公がたずねられた。――
「一言で国を興隆させるような言葉はないものかな」
先師がこたえられた。――
「いったい言葉というものは、仰せのようにこれぞという的確なききめのあるものではありません。しかし、世の諺に、君となるのも難しい、臣となるのもたやすくはない、ということがございます。もし、君となるのがむずかしいという言葉が支配者に十分のみこめましたら、その言葉こそ一言で国を興隆させる言葉にもなろうかと存じます」
定公がまたたずねられた。――
「一言で国を亡ぼすというような言葉はないものかな」
先師がこたえられた。――
「いったい言葉というものは、仰せのように、これぞという的確なききめのあるものではありません。しかし、世の諺に、君となってもなんの楽しみもないが、ただ何をいってもさからう者がないのが楽しみだ、ということがございます。もし善いことをいってさからう者がないというのなら、まことに結構でございますが、万一にも、悪いことをいってもさからう者がないという意味でございますと、それこそ一言で国を亡ぼす言葉にもなろうかと存じます」(下村湖人『現代訳論語』)- https://kanbun.info/keibu/rongo1315.html (漢文体系)
諸橋轍次 論語の講義から
漢文学の大家 諸橋先生によると、これは論語きっての名言と。
一言で国を興すこともあれば、一言で国を滅ぼすこともある、と。
菅さんの一言 怖いものがあります。
この人 政治家としてどうなのか、と思っております。
今まで地道にやってきた人でも、偉くなると、人は変わるもの。
いろいろな人が来て、お願い事をしたり、ちやほやしたりする。
甘旨(かんし)鼎(かなえ)に充ち、柔艷座を繞れば、人は変わるものです 註)。
この人 政治家としてどうなのか、と思っております。
今まで地道にやってきた人でも、偉くなると、人は変わるもの。
いろいろな人が来て、お願い事をしたり、ちやほやしたりする。
甘旨(かんし)鼎(かなえ)に充ち、柔艷座を繞れば、人は変わるものです 註)。
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