原文
11) Everybody has observed that the Shinto shrines are conspicuously devoid of objects and instruments of worship, and that a plain mirror hung in the sanctuary forms the essential part of its furnishing.
12) The presence of this article is easy to explain: it typifies the human heart, which, when perfectly placid and clear, reflects the very image of the Deity.
13) When you stand, therefore, in front of the shrine to worship, you see your own image reflected on its shining surface, and the act of worship is tantamount to the old Delphic injunction, "Know Thyself."
14) But self-knowledge does not imply, either in the Greek or Japanese teaching, knowledge of the physical part of man, not his anatomy or his psycho-physics; knowledge was to be of a moral kind, the introspection of our moral nature.
15) Mommsen, comparing the Greek and the Roman, says that when the former worshipped he raised his eyes to Heaven, for his prayer was contemplation, while the latter veiled his head, for his was reflection.
現代英文訓読法では
私の訳:神社の霊廟には礼拝の対象物や器具が著しく乏しく、神聖な場所に掛けられた装飾のない、一枚の鏡が主要な設備である。
conspícuously
副詞
著しく, 目立って.
devoid /dɪvɔ́ɪd/
形容詞
⦅かたく⦆〖be ~ of A〗〈人物などが〉A〈性質など〉を欠いている, まったく持っていない.
sanctuary /sǽŋ(k)tʃuèri|-əri/
〖原義は3〗
名詞複-ies /-z/
1 C(鳥動物の)保護区域, 禁猟区, サンクチュアリ
▸ a bird [wildlife] sanctuary
鳥類[野生動物]保護区.
2 U(危険迫害などからの)保護, 庇護(ひご); C避難所
▸ provide sanctuary for A
A〈難民など〉を保護する, かくまう
▸ find [seek] sanctuary in A
A〈場所〉に逃げ込む, 避難する.
3 C(教会神殿などの最も)神聖な場所; ⦅米⦆礼拝堂[室].
4 U(教会の)罪人庇護権; C(法の及ばぬ)聖域, 「かけ込み寺」.
5 C安らぎの場所.
furnish /fə́ːrnɪʃ/
〖原義は「必要なものを供給する」〗
動詞~es /-ɪz/ ; ~ed /-t/ ; ~ing
他動詞
1 〈人が〉〈部屋家など〉に家具などを備え付ける;〖furnish A with B〗A〈部屋家など〉にB〈家具など〉を備え付ける, 設備する (!furnishは調度品などを備え付けること; equipは装置や器具などを装備すること; →furniture)
▸ furnish a house
家に家具を備える
▸ Her room is sparsely furnished.
彼女の部屋は家具がぱらぱらとしかない
▸ furnish a library with books
図書館に本を備える.
2 ⦅かたく⦆〈人などが〉〈必要品〉を用意する; 〖furnish A with B/B to A〗A〈人など〉にB〈必要品〉を供給する, 与える(supply)
▸ furnish him with all he needs
彼に必要な物を全部供給する
▸ You must not furnish personal information to a third party.
第三者に個人情報を与えてはいけない.
11) 矢内原忠雄訳:神社に詣ずる者は誰でも観るごとく、その礼拝の対象および道具は甚だ少なく、奥殿に掲げられたる素鏡がその備えつけの主要部分を成すのである。
私の訳:この鏡の存在理由はたやすく説明することができる。つまり鏡は人間の心を象徴している。心が完全に落ち着き、清明であるとき、そこには 「神」そのものの姿を見ることができる。
article /ɑ́ːrtɪk(ə)l/
〖「関節」>「個に区分された物」>「品物」〗
名詞複~s /-z/ C
1 (新聞雑誌などの) «…についての» 記事, 論説; 論文 «on, about»
▸ a recent article on Japan
最近の日本に関する記事
▸ a leading article
⦅英⦆社説(⦅米⦆an editorial (article))/a front-page [magazine] article 一面[雑誌]記事.
2 ⦅かたく⦆物, 品物, 商品;【同種の物の】1個, 1品 «of»
▸ household [domestic] articles
家庭用品
▸ an article of furniture [clothing]
家具[衣料品]1品.
typify /tɪ́pɪfàɪ/
動詞-fies; -fied; ~ing
他動詞 (!通例進行形にしない)
1 …の典型となる, …を典型的に代表する; …の特徴を示す
▸ The book typifies the spirit of the age.
この著書は(そのころの)時代精神を代表している.
2 …を象徴する.
tỳpificátion
名詞
placid /plǽsɪd/
形容詞
〈人動物が〉おとなしい, 落ち着いた(calm); 〈物事が〉静かな, 穏やかな.
deity /díːəti|déɪ-/
名詞複-ties
1 C神(god), 女神(goddess)
▸ the deities in Greek mythology
ギリシャ神話中の神々.
2 ⦅かたく⦆〖the D-〗(一神教の)神, 創造主(God).
3 U神格, 神位, 神性.
4 C神のような存在の人[物].
12) 矢内原忠雄訳:鏡の存在は容易に説明ができる。それは人の心を表わするのであって、心が完全に平静かつ明澄なる時は神の御像を映す。
私の訳:それ故、参拝のために社殿の前に立つとき、輝く鏡の面に映るおのれ自身の姿を見る。そして参拝という行為は、かの古(いにしえ)のデルフィの神託「おのれ自身を知れ(註)」 に通じるのである。
worship /wə́ːrʃəp/ (!-or-は /əːr/ )
〖wor(価値のある)ship(状態)〗
動詞~s /-s/ ; ~ed /-t/ , ⦅英⦆~ped; ~ing, ⦅英⦆~ping
他動詞
1 〈人が〉(祈りなどにより)〈神など〉を崇拝する
▸ worship the sun god
太陽神を崇拝する.
2 〈人が〉…を賛美[尊敬]する
▸ worship music [money]
音楽を敬愛[金銭を崇拝]する.
自動詞
〈人が〉礼拝をする[に行く]
▸ worship at church
教会で礼拝する.
tantamount /tǽntəmàʊnt/
形容詞
⦅かたく否定的に⦆〖be ~ to A〗〈行為計画などが〉Aにも等しい, Aも同然である (!Aは名詞動名) .
13) 矢内原忠雄訳:この故に人もし神前に立ちて拝礼する時は、鏡の輝く面に自己の像の映れるを見るであろう。かくてその礼拝の行為は、「汝自身を知れ」という旧きデルフィの神託と同一に帰するのである。
私の訳:だが、ギリシャおよび日本の教えでは、自己知というものは人間の肉体的部分の知識、解剖学や精神物理学の知識を意味しない。この場合の知とは道徳的なものであった。つまり我々の道徳的性質の自己反省を意味しているのである。
imply /ɪmpláɪ/ (!-plyは /plaɪ/ )
〖im(中に)ply(折り込む)〗
名implication
動詞implies /-z/ ; implied /-d/ ; ~ing
他動詞
1 〈人事が〉(言葉態度などで)〈事〉を暗示する, それとなく示す, 暗に意味する, ほのめかす(suggest); 〖~ (that)節〗…だとそれとなく示す[言う]
▸ an attitude implying irritation [threat]
いらだち[脅迫]をほのめかす態度
▸ Are you implying that I'm in love with you?
私があなたに恋をしてるとおっしゃっているのですか
▸ It is implied that ….
…ということが暗示されている.
2 ⦅ややかたく⦆〈事実出来事などが〉(たぶん)…を意味する; 〖~ (that)節〗(たぶん)…ということを示している(→show類義)
▸ The test results imply that he needs to study harder.
テストの成績が意味するところは彼がもっと勉強する必要があるということだ
▸ Smoke implies a fire.
火のないところに煙は立たぬ.
3 〈行為などが〉〈ほかの行為条件など〉を当然必要とする, 必ず伴う[含む]
▸ Success in this field implies a great deal of struggle.
この分野での成功は相当の努力を伴う.
ìntrospéction
名詞
U内省, 自己反省, 自己観察.
14) 矢内原忠雄訳:しかしながら己れを知るということは、ギリシャの教えにおいても日本の教えにおいても、人間の身体的部分に関する知識、すなわち解剖学や精神物理学を意味するのではない。この知識の性質は道徳的であり、人の道徳的性質の内省たるべきである。
私の訳:ギリシア人とローマ人を比較したモムゼンは以下のように言う。前者(ギリシア人)は礼拝をする時に彼は彼の眼を天に上げる。と言うのは、彼の祈りは凝視であるから。一方で、後者(ローマ人)は彼の頭を覆う。というのは、彼の祈りは内省であるから。
英文法解説
Mommsen, comparing the Greek and the Roman, says が 主節
that 以下のすべて、つまり、that when the former worshipped he raised his eyes to Heaven, for his prayer was contemplation, while the latter veiled his head, for his was reflection.
は、saysの目的だから名詞節
この名詞節はwhileで前と後ろに分かれる。
whileは、「一方で」という意味。この前と後ろを対等節と私はした。こうした方が見易い(ここには異論もあるだろうが。whileの節を譲歩を表す副詞節とする説明もあると思う)
前半部分 when the former worshipped he raised his eyes to Heaven, for his prayer was contemplation の中で
he raised his eyes to Heaven は主節
when the former worshipped は、時を表す副詞節。
for his prayer was contemplation が理由を表す副詞節
後半部分 while the latter veiled his head, for his was reflection.で
he latter veiled his head は主節
for his was reflection. は理由を表す副詞節
*著者の感想:文法用語の言い方はいろいろあるだろうが、私はこのように教わった。私の経験では、長い英語の文章では、このようにきちんと節に分けて、その機能を明らかにしないと上手く訳ができないし、逆にうまく訳が出来ない場合には、文法的にしっくりこない所があるものである。
最近、学校教育では英語の文法を不要なもの、もっときつく言うと排斥する様な動きがあるという。聞く、話す、読む、書く の4技能が大事で、彼らの言うことを黙って聞いているとニュアンスではこの順序に大事な様に聞こえる。
しかし、このようなことが最低限、分からないと、英語をきちんと訳することができない、つまり、理解することができないと思う。
単語
worship /wə́ːrʃəp/ (!-or-は /əːr/ )
〖wor(価値のある)ship(状態)〗
動詞~s /-s/ ; ~ed /-t/ , ⦅英⦆~ped; ~ing, ⦅英⦆~ping
他動詞
1 〈人が〉(祈りなどにより)〈神など〉を崇拝する
▸ worship the sun god
太陽神を崇拝する.
2 〈人が〉…を賛美[尊敬]する
▸ worship music [money]
音楽を敬愛[金銭を崇拝]する.
自動詞
〈人が〉礼拝をする[に行く]
▸ worship at church
教会で礼拝する.
veil /veɪl/
動詞
他動詞
1 …をベールで覆う, …にベールを掛ける.
2 «…で» …を隠す, 覆う «in, with»
▸ be veiled in secrecy
⦅かたく⦆秘密に包まれている
▸ the sun veiled with fog
⦅文⦆霧にかすむ太陽.
自動詞
ベールを着用する.
reflection⦅英まれ⦆reflexion /rɪflékʃ(ə)n/
→reflect
名詞複~s /-z/
1 C(鏡や水面などに映る)映像, 姿
▸ She looked [stared] at her reflection in the mirror.
鏡に映る自分の姿を見た[じっと見た].
2 U(光熱音などの)反射, 反響; 反射光[熱].
3 C反映, 影響, 現れ
▸ The arts are a reflection of our society.
芸術は我々の社会の影響を強く受ける.
4 C〖単数形で〗 «…にとっての» 悪いことの現れ; 不名誉(な事), 非難 «on»
▸ a (sad) reflection on our society
私たちの社会の(悲しい)現状を映し出したもの.
5 U «…についての» 熟慮, 熟考, 考察; 内省; C⦅かたく⦆〖通例~s〗(熟考の末の)意見, 考え, 感想 «on» .
6 C描写, 説明.
on refléction
よく考えてみると, 熟慮の上で.
contemplation /kɑ̀(ː)ntəmpléɪʃ(ə)n, -tem-|kɔ̀n-/
名詞U
1 熟考, じっくり考えること; 瞑想(めいそう).
2 凝視, じっと見ること.
3 もくろみ, 意図.
4 予期, 見込み.
15)矢内原忠雄訳:モムゼンがギリシヤ人とローマ人とを比較して論ずるところによれば、ギリシャ人は礼拝するとき眼を天にあげるが、日ーマ人はその頭を物で被う、前者の祈りは凝視であり、後者のそれは内省であるという。
*文法用語の言い方はいろいろあるだろうが、私はこのように教わった。私の経験では、長い英語の文章では、このようにきちんと節に分けて、その機能を明らかにしないと上手く訳ができないし、逆にうまく訳が出来ない場合には、文法的にしっくりこない所があるものである。
最近、学校教育では英語の文法を不要なもの、もっときつく言うと排斥する様な動きがあるという。聞く、話す、読む、書く の4技能が大事で、彼らの言うことを黙って聞いているとニュアンスではこの順序に大事な様に聞こえる。
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