原文
40) May I not go even so far as to say that the gentlest and most peace-loving of religions endorses this aspiration?
41) The desire of Tom is the basis on which the greatness of England is largely built, and it will not take us long to discover that Bushido does not stand on a lesser pedestal.
42) If fighting in itself, be it offensive or defensive, is, as Quakers rightly testify, brutal and wrong, we can still say with Lessing, "We know from what failings our virtue springs." 1
43) "Sneaks" and "cowards" are epithets of the worst opprobrium to healthy, simple natures.
現代英文訓読法で
私の訳:最も紳士的で最も平和を愛する宗教でさえこの願望(トムの願望)を推奨しているのだと言う限りにおいて、私は言い過ぎであろうか
文法上の解説
to say の用法は何か? とか、as はどのような接続詞か、という疑問が湧いてくるかもしれない。
文法書では so far as は制限の副詞節を導く接続詞であるという解説があるが、私は素直に so far as は熟語で「〜の限りでは」と訳すると覚えたい。文法もあまりに突っ込みすぎると、それは文法学者の領域になってしまう。
ここまで私はやらない。
ここまで私はやらない。
とにかく正確に訳するために文法を使うのだ、というスタンスでやっていきたい。
endorse /ɪndɔ́ːrs/
動詞
他動詞
1 (公に)〈意見提案人など〉を支持する, 承認する.
2 (テレビ新聞などの広告[宣伝]で)〈商品など〉をほめる, 推奨する; (支持するために)…の広告に出る.
3 〈小切手〉に裏書きする, 署名する; …(の正しさ)を裏書き[保証]する.
4 ⦅英⦆〖通例be ~d〗(運転免許証に)交通違反事項を記入される.
aspiration /æ̀spəréɪʃ(ə)n/
名詞複~s /-z/
1 C
a. 〖通例~s; 抽象的にはU〗 «…したいという/…に対する» 熱望, 野望, 切望(desire, ambition); 大志, 向上心 «to do, of doing/for, to, toward»
▸ have aspirations to enter [for] college
大学入学を切望する
▸ political aspirations
政治的野心.
b. 熱望[切望]している物[事].
40) 矢内原忠雄訳:最も柔和でありかつ最も平和を愛する宗教でさえこの願求を裏書きすると私が言えば、それは言い過ぎであろうか。
私の訳:トムの願いはその要石であり、その要石の上に英国の偉大さが壮大に建てられているのである。そして日本の「武士道」がそれより小さな要石の上に立っているわけではないと分かるのにそれほど長い時間はかからないだろう。
41) 矢内原忠雄訳:トムの願いの基礎の上に、イギリス の偉大は大半打ち建てられたのである。しかして武士道の立つ礎石もこれより小なるものでなきことを、我々はやがて発見するであろう。
私の訳:戦闘行為それ自体は攻撃的であれ防御的であれクェーカー教徒が正しく証明する様に野蛮で悪いものでも我々はレッシングと共に言う事ができる。「我々は知っている。どんなにか誤っているものからも我々の徳は溢れ出るのだ」と
難しい文章。
be it offensive or defensiveの be がまず分からない。これ自体は挿入句とし、「攻撃的であれ防御的であれ」と訳した。文法的なことが分からない。
what failings このwhatは問題である。辞書に感嘆文のところに「〖形容詞を伴わないで〗何とすごい[ひどい]…」という意味がある。これは感嘆文ではないが「どんなにか誤っていても」と訳してみた。これしかないだろう。私としては文法的な意味づけが欲しいところであるが。
Quaker /kwéɪkər/
名詞
1 Cクエーカー教徒〘17世紀中ごろGeorge Foxが設立したキリスト教の一派フレンド会(Society of Friends)の会員; 宗教的感動から身体を震わせるので軽蔑的にQuakerと呼ばれた; 教徒自身はthe Friendsを用いる〙.
2 〖the ~s〗クエーカー教, フレンド会.
testify /téstɪfàɪ/
動詞-fies /-z/ ; -fied /-d/ ; ~ing
自動詞
1 〈人が〉 «…に不利に/…について/…に有利に/…に対し» (法廷で宣誓の上)証言する «against/about/for/to» ; 〈人が〉 «…(の真実性)を» 証明[立証, 保証]する «to»
▸ testify against [for, on behalf of, in favor of] the defense
被告に不利[有利]な証言をする
▸ testify to A's alibi
Aのアリバイを証明する.
2 ⦅かたい書⦆〈物事が〉 «…の» 証拠となる «to»
▸ Nothing testified to that effect.
その効果を証明するものは何もなかった.
3 ⦅主に米⦆信仰体験を語る.
fáiling
形容詞
破綻しかけた, だめになりつつある
▸ in a failing light
次第に薄れる光の中で
▸ failing memory
衰えてきた記憶力.
名詞
C〖通例~s〗失敗, 欠点; 弱点.
what /(h)wʌt, (h)wɑ(ː)t|wɔt/
2 〖感嘆文で〗〖what (a)(+形容詞)+名詞〗何と[て]…; とても[実に]…; 〖形容詞を伴わないで〗何とすごい[ひどい]… (!一般に強勢は受けないが, 文脈によって受けることも少なくない)
▸ What an exciting game!
何ておもしろい試合だろう (!C名詞単数形の前でa(n)を省くことはできない:╳What exciting game!としない)
▸ What strange clothes she wears!
彼女は何と変わった服を着ているんだろう
▸ What fun it is to ski in the mountains!
山スキーはとっても楽しい
42) 矢内原忠雄訳:友教徒の正しく証明するごとく、戦闘そのものは攻撃的にせよ防禦的にせよ蛮的(ばんてき)であり不正であるとしても、我々はなおレッシングと共に言いうる、「我らは知る、欠点いかに大であるともそれから徳が起こる」(1)と。
註1: ラスキンは最も心柔和にして平和を愛する人の一人であった。しかし彼は奮闘的生涯の崇拝者たる熱心をもって、戦争の価値を信じた。彼はその著『野の橄欖(かんらん)の王冠』の中でこう言っている一「戦争はあらゆる技術の基礎であると私の言う時、それは同時に人間のあらゆる高き徳と能力の基礎であることを意味しているのである。この発見は私にとりて頗(すこぶ)る奇異であり、かつ頗る怖ろしいのであるが、しかしそれがまったく否定し難き事実であることを私は知った。簡単に言えば、すべての偉大なる国民は、彼らの言の真理と思想の力とを戦争において学んだこと、戦争において涵養(かんよう)せられ平和によって浪費せられたこと、戦争によって教えられ平和によって欺かれたこと、戦争によって訓練せられ平和によって裏切られたこと、要するに戦争の中に生まれ平和の中に死んだのであることを、私は見いだしたのである」
私の訳:「こそこそする人」とか「臆病者」というのは、健全で素朴な性質の人に対する最悪の非難の罵倒語である。
sneak /sniːk/
名詞C
1 こそこそする人, 卑劣な人間; こそこそした行い.
2 ⦅英くだけて⦆告げ口をする子供[生徒].
3 〖形容詞的に〗内密の, こそこそした, 盗み見的な; 不意の
▸ a sneak peek
盗み見.
4 ⦅米くだけて⦆〖~s〗スニーカー(sneakers).
epithet /épɪθèt/
名詞C⦅かたく⦆
1 形容語句 (!人物の特性を表現する描写的修飾語:the pale-faced moon/green-eyed jealousy/Alfred the Great) .
2 あだ名 (!人物の性質を表す名詞形容詞で, 侮辱的なものも多い; たとえばインテリをeggheadというなど) .
3 罵倒語[句]
▸ shout epithets
さまざまの罵倒語を叫ぶ.
opprobrium /əpróʊbriəm/
名詞
U⦅かたく⦆(特定の行為に対する)公然たる非難, 憎悪.
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